芸術祭大歌舞伎 徹底した技巧で見せる脇役・歌六の存在感

公開日: 更新日:

 昼の部、松緑は「御摂勧進帳(ごひいきかんじんちょう)」で弁慶、愛之助は「蜘蛛絲梓弦(くものいとあずさのゆみはり)」で5役早替わりと、別々に主演。どちらも見せ場の連続で視覚的に楽しめるが、それだけでもある。

 さすがとうならせるのが、菊五郎の「江戸育お祭佐七」。2008年以来の上演だが、時蔵、団蔵ら主要な配役は前回と同じ。菊五郎劇団の破綻なきアンサンブルで、最初は華やかで楽しい世界が、救いようのない殺人へ転じていく悲劇が描かれる。この芝居は10年に1度くらいしか上演されないので、次は世代交代しているだろう。その交代すべき菊之助が同座していないのが残念。

 今月は「蜘蛛絲梓弦」での右団次、「お祭佐七」での団蔵、「三人吉三」の歌六と、主役ではない脇役の存在感が目立った。

(作家・中川右介)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    自転車の「ハンドサイン」が片手運転ではとSNSで物議…4月1日適用「青切符」では反則金5000円

  2. 2

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  3. 3

    柳楽優弥「九条の大罪」23歳新人が大バズり! 配信ドラマに才能流出→地上波テレビの“終わりの始まり”

  4. 4

    スピードスケート引退・高木美帆にオランダが舌なめずり “王国復権の切り札”として白羽の矢

  5. 5

    ホルムズ海峡封鎖で習近平指導部が高笑い 中国の石油備蓄量は日本の5倍超、いまだ一滴も放出せず

  1. 6

    高市首相「イヤイヤ集中審議」の一部始終…収まらないイライラ、官邸崩壊もチラつき深まる孤立

  2. 7

    田尾監督には感謝しかない 電撃解任の際は一緒に辞めるつもりだったけど…

  3. 8

    故・中山美穂さんの遺産めぐる「相続トラブル」報道の実相…ひとり息子の相続放棄で、確執の実母に権利移行か

  4. 9

    ボクシング元世界王者・内藤大助さんは昨年ジム開設「ジィちゃんバァちゃんも大歓迎」

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希がまたも背信投球…指揮官まで「物足りなさ」指摘でローテ降格カウントダウン