街歩きがさらに楽しくなる暗渠の魅力を紹介「全国暗渠 観光ガイド」高山英男、吉村生著

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「全国暗渠 観光ガイド」高山英男、吉村生著

 暗渠(あんきょ)とは、もともとあった川や水路の流れ(開渠)を地下に移したもののこと。流れに蓋をしただけの単純なものから、下水道に転用したもの、区画に合わせて付け替えられ道として生まれ変わったものなど、さまざまなケースがある。

 本書は、そんな暗渠に魅せられ全国を訪ね歩く2人によるガイドブック。

 暗渠には、「経過」「経路」「景観」の3つの楽しみがあるという。経過とは暗渠化に至った歴史、経路は街の水の痕跡や「暗渠サイン」(暗橋=暗渠に残る橋=やそのパーツ、水の神様の弁財天)を見つけながら歩き、浮かび上がらせる地図にも載っていない水のネットワーク、そして景観は加工された暗渠上の景観を観察する楽しみだという。

 そんな暗渠の基本的な「味わい方」を学んだら、いよいよ日本各地のお薦め暗渠を案内。

 がっかり名所として有名な高知の「はりまや橋」や、迷宮のようにこんがらがった川崎の二ケ領用水の暗渠部分、横須賀のドブ板通りなど、まずは既に観光名所になっているスポットを暗渠目線でその魅力を深掘りする。

 さらに、橋の名所として選ばれた「鎌倉十橋」をベースにした「鎌倉十(暗)橋」や、応仁の乱の際に西陣と東陣を分けた京都の「小川(こかわ)」、小樽運河に流れ込む3本の川など、観光地の隠れた暗渠もめぐる。

 ほかにも、出張先の盛岡で見つけたという暗渠や、横浜の産業道路を背骨にして、その背骨に魚の骨のように垂直にいくつもの暗渠がつながる「ホネホネ暗渠」など、知られざる暗渠まで、29都市31事例を紹介。

 暗渠の醍醐味は何よりも自分で発見することだという。それが新しい街の風景を発見することにもつながる。街歩きの新たな楽しみ方を教えてくれるおすすめ本。

(学芸出版社 2530円)

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