ビートルズ来日スペシャル① 頑迷な保守派をよそに若者は「現象」に青春を懸けた
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ビートルズ来日スペシャル①
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さて、ちょうど60年前、1966年の6月29日は、早朝にビートルズが羽田空港に到着した日である。
厳密には、29日の午前3時40分到着。そんなむちゃな時間に着いたのは、台風の影響があったから。
そして、たった4日後の7月3日朝、彼らは、次の公演地であるフィリピンに向かった。
というわけで今週は「ちょうど60年前に来日してた記念」としての特別編「ビートルズ来日スペシャル」を5回連続でお届けしたい。
まずは、この「ビートルズ台風」がどれだけすごかったかという話。
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ただ、本や記事などを追っていると、音楽家・ビートルズの来日が騒がれたというより、「欧米で若者に人気のわけのわからん4人組が突然日本にやってきた」という感じの騒がれ方だった。つまり率直に言えば、程度の低い「現象」だったようである。
象徴的なのは、いわゆる保守派論客のあざけりぶりで、例えばTBS「時事放談」に出演した細川隆元と小汀利得は「だいたいエレキギターだのモンキーダンスだのという騒々しいものは、人類進歩のじゃまだ」と言い放つ。
また時の首相、佐藤栄作が「武道館はふさわしくない」と側近に漏らし、さらには日本武道館初代会長でもあった正力松太郎が「あのペートルなんとかちゅうのは、ありゃなんだね」といって、武道館を会場として使わせないと言い出す。
これらを、「はるか60年前の保守派はさすがに頑迷だよな」と見るか、「いやいや今と同じじゃないか」と見るか──。
さて、そんな動きとは無縁に「現象」が異常に盛り上がったのには、どこまで彼らの音楽そのものに意識的だったかは別として、当時の日本の若者が、自らの青春、人生を懸けるべきムーブメントだと直感したからだと思う。
ビートルズ来日を描いた文学や映画は多い。そんな中で私が推したいのは、2017年のNHK朝ドラ「ひよっこ」だ。
第78回。主人公みね子(有村架純)の叔父で、ビートルズファンの宗男(峯田和伸)のセリフは極めて本質的である(脚本:岡田惠和)。白状すれば、このシーン、今見ても涙が止まらない。
「思ってることをよぅ、かっこつけずに思いっきし叫ぶと、なんだか力が出っぺ。それに笑えっペ、なんだか。それが、ビートルズだ。(中略)だからよ、聴いてると、なんか一緒に声出してるみたいな気分になって、心が晴れんだ。一緒に歌いたくなる。(中略)東京で待ってっどー、ビートルズ!」 (この項つづく)
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