「平安文学の謎を解く」土方洋一著

公開日: 更新日:

「平安文学の謎を解く」土方洋一著

 クレオパトラや楊貴妃と並ぶ「三大美女」の一人だが、小野小町については信頼できる史料がほとんどない。10世紀初めに編纂(へんさん)された「古今集」にある小野小町の和歌17首が、唯一の信頼できる史料である。

「古今集」の歌には、歌が詠まれたときの事情を書いた詞書つきのものが多いが、小野小町の歌で詞書があるのは贈答歌の3首だけだ。代表作の「花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに」も詠まれた背景が不明である。恋多き女性と思われがちだが、小野小町の歌は題を与えられて詠む題詠で、実体験ではなく想像上の恋なのだ。

 ほかに、「伊勢物語」など、平安文学の謎に迫る。

(筑摩書房 2200円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    活動終了「嵐」メンバー「消える人」と「生き残る人」…“一番先行きが厳しい”のは?

  2. 2

    Netflixで話題「古畑任三郎」 伝説の神回《動機の鑑定》に描かれる古美術界のリアリティーに迫る

  3. 3

    松尾雄治さん(1)ゴルフ場で意識を失う…「気が付いたら病院のベッドでした」

  4. 4

    メジャー屈指の不人気球団が佐々木麟太郎を指名…“銭ゲバ”マーリンズの黒歴史

  5. 5

    ビートルズよりもストーンズよりもすごいバンド、ラトルズ!

  1. 6

    女性を巡る愛憎より友情が勝った永遠のバディー

  2. 7

    “スジ悪”すぎる副首都法案のボロが露呈…国会審議で維新の「大阪ありき」に集中砲火

  3. 8

    48年ぶり映画出演の由美かおるさんが語る 人生が変わった瞬間「11PM」「水戸黄門」エピソード

  4. 9

    はつらつプレーで4人に音楽の喜びを取り戻させた陰のMVP

  5. 10

    木原稔官房長官「国会会期延長必要ない」が波紋呼び修正…失言連発で“調整役”として機能せず