「平安文学の謎を解く」土方洋一著

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「平安文学の謎を解く」土方洋一著

 クレオパトラや楊貴妃と並ぶ「三大美女」の一人だが、小野小町については信頼できる史料がほとんどない。10世紀初めに編纂(へんさん)された「古今集」にある小野小町の和歌17首が、唯一の信頼できる史料である。

「古今集」の歌には、歌が詠まれたときの事情を書いた詞書つきのものが多いが、小野小町の歌で詞書があるのは贈答歌の3首だけだ。代表作の「花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに」も詠まれた背景が不明である。恋多き女性と思われがちだが、小野小町の歌は題を与えられて詠む題詠で、実体験ではなく想像上の恋なのだ。

 ほかに、「伊勢物語」など、平安文学の謎に迫る。

(筑摩書房 2200円)

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