著者のコラム一覧
荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

「貧血」は認知症のリスクを60%アップさせる…脳の酸欠が関係?

公開日: 更新日:

 みなさんは健康診断で「少し血が薄いですね」と指摘されたことはありませんか? 「フラッとするだけ」「年のせい」と見過ごされがちな貧血ですが、その認識は見直した方がよさそうです。

 世界的な医学誌「JAMA Network Open」に掲載された研究では、約2200人を9年間追跡した結果、貧血のある人はそうでない人に比べて認知症の発症リスクが約1.6倍、つまり6割以上も高いことが報告されました。

 さらに注目すべきは、血液の状態と脳の変化が結びついている点です。この研究では、アルツハイマー病に関連する異常タンパク質(p-tau217)や、神経の損傷を示す指標(NfL)といった血液で分かる脳のサインも測定されています。その結果、貧血の人ほどこれらの数値が高い傾向が確認されました。

 つまり、「疲れやすい」「立ちくらみがする」といった症状の裏で、知らず知らずのうちに脳のダメージが進んでいる可能性があるということです。特に貧血と神経損傷の指標が重なると、認知症リスクは3倍以上に跳ね上がるケースも報告されています。

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