「感染列島」(2009年)東宝

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「コンテイジョン」がアメリカ代表なら日本代表がこの瀬々敬久監督作品。出演も妻夫木聡檀れい佐藤浩市、藤竜也、池脇千鶴国仲涼子と実力派ぞろい。

 妻夫木演じる青年医師は公立病院の救急外来医。軽症と診断した患者が翌日、高熱とけいれんと吐血で急死してしまう。誤診と気落ちする医師。ところが正体は謎の感染症。佐藤浩市率いる救命室は院内感染で大混乱。やがて日本全国に感染拡大し……。

 崩壊する医療現場の惨状がリアルで生々しい。新型ウイルスは頭文字をとってBLAME(ブレイム)と名付けられるが、英語の意味は「神の責め苦」。世界からつまはじきにされる恐怖は日本のディストピア映画ならではの設定だろう。

 物語の終盤、ワクチン開発にめどが立って感染爆発は終息。しかし、実用化までに感染死は広がっていく。「終息」には程遠いという描写に背筋が寒くなる。

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