著者のコラム一覧
二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

樹木希林に「会ってみたい」と言わしめた伝説の芸能記者K

公開日: 更新日:

 芸能界にも名前を知られていたK氏。某芸能プロ社長がこう話していた。

「芸能記者は僕らに頼みごとやお願いが多いから自然に下に見る傾向がある。K氏は別格でした。ホテルのバーで会うとこっちが緊張するほど。タレントなんか、ただ者ではないと(笑い)察するのか、がちがちになる子もいた」

 取材はどんな相手であろうと基本は五分と五分の立場で始まる。スポーツ選手は最初のアタックで「勝てる」「勝てそうもない」の判断がつくそうだが、取材の世界でも第一印象で主導権を握れるかどうか、おおかたわかることもある。

「この記者、ちょっと違うぞ」と、K氏は相手に構えさせる存在だった。昔、樹木希林さんがある会見で「Kさんは来ていないの」と取材陣に聞いてきた。来てないとわかると、「一度、会ってみたいわ」と言われるほどの人だった。

 K氏には数々の実績があった。それを目の当たりにしたのが、1984年、フジサンケイグループ議長の鹿内春雄氏の3度目の結婚会見だった。


 相手は元NHKの美人キャスター。交際時から不倫を喧伝されていたことで、異例の単独会見が局内の会議室で行われた。私はK氏と最後尾に座った。会見が始まると、K氏は退屈そうに雑談してくる。いったい何しに会見にと思った。会見終了が迫り、「最後の質問を」となったとき、K氏が挙手し、質問した。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  2. 2

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  3. 3

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  4. 4

    片山さつき財務相の居直り開催を逆手に…高市首相「大臣規範」見直しで“パーティー解禁”の支離滅裂

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  1. 6

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  2. 7

    森田望智は苦節15年の苦労人 “ワキ毛の女王”経てブレーク…アラサーで「朝ドラ女優」抜擢のワケ

  3. 8

    臨時国会きょう閉会…維新「改革のセンターピン」定数削減頓挫、連立の“絶対条件”総崩れで手柄ゼロ

  4. 9

    阪神・佐藤輝明をドジャースが「囲い込み」か…山本由伸や朗希と関係深い広告代理店の影も見え隠れ

  5. 10

    阪神・才木浩人が今オフメジャー行きに球団「NO」で…佐藤輝明の来オフ米挑戦に大きな暗雲