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船山基紀編曲家

1951年、東京都生まれ。編曲家。デビュー作は中島みゆき「アザミ嬢のララバイ」。昨年死去した作曲家・筒美京平と組んだ作品が一番多く、沢田研二、渡辺真知子、田原俊彦ら数々のヒットを飛ばした。昨年12月に編曲を手がけた作品を収録した「船山基紀 サウンド・ストーリー」(ソニー・ミュージックダイレクト、CD4枚組72曲)をリリース。

榊原郁恵「ROBOT」はすべて手弾きの「人力テクノ」で制作

公開日: 更新日:

 1980年に制作した榊原郁恵さんの「ROBOT」は作詞・松本隆、作曲・筒美京平、編曲・船山基紀のメンバーで手がけた作品の中でも、とても印象に残っています。

 京平先生からは「とにかくテクノでやってほしい」というリクエストがありましてね。当時はYMOによるテクノブームが起きていて、歌謡曲との融合が試されていた時代です。京平先生の念頭には、そのことがあったのかもしれません。

 しかし、あの頃はまだコンピューターの性能があまり良くなかったんですよ。打ち込みというと、「ローランドMC-4」というデジタルシーケンサー(コントローラー)を使っていましたが、MC-4は単音で打ち込んでいくしかなかったので、とても時間がかかるんです。

■コンピューターで打ち込むのに時間がかかった時代

 スタジオで、すべて最初から単音で打ち込んでいかなければいけないので、1曲制作するのに1週間近くかかってしまうような状況でした。郁恵さんは人気アイドルでしたから、忙しいスケジュールの合間を縫ってレコーディングをしなければならないわけです。

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