カウンターの健サンが何と「サブちゃん、こっちこないか」

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(前回から続く)

 役者に成る! なんてユメは雲散霧消だなへへへのへだ、なんて自虐してまして、で翌日茶店に行くと、何と又健サンいらっしゃる。で又その翌日も。しかし大スターで忙しい筈なのに、よくこんな時間あるなあと、不思議でしたヨ。月に七、八回位はお会いしてましたなあ。尤もアタシの一方的な事ですが。

 でそんなことが三ツキ程続きましたか、ある日ですよ、バイトは夜専門だから昼は寝てんだけど、何の風の吹き回しか、昼に茶店行ったんですヨ。そしたら何と、健サン一人でいらっしゃる! いつもは大体三、四人サン連れでいるのに、今は一人でコーヒー飲んでらっしゃる。ヒエー! どうしよう! 別にどうすることもないのに、一人相撲! のどかなモンデスこのアタシ! しかしです! いつものカウンターに掛けてコーヒー注文したとたん、何と「サブちゃん、こっちこないか」え!? 今何だった!? 驚いてママの顔見たら、ニヤニヤしながら、「サブ、いきなさいよ」はん!? 何だって、恐る恐る振り向いたら、健サン「おいでよ俺も一人だから」カアー! 参った参りました。でも何で? 俺の名前知ってくれてんの? エ? 顔も合わせたコトないのに? 頭はグルグル蜂の巣つついたようなモンで、盆と正月一緒に来やがった! でまあとにもかくにも、オロオロ席へ。そこで健サンの言葉「サブちゃん、ケンカ好きなのか」はあ~? 何をおっしゃってんでしょこの御方は? 「何かいつも赤タン青タンふいてるからなあ」

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