映画「キャラクター」で開眼 猟奇殺人犯を演じたFukaseの狂気

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 Fukaseは、今作で4人家族のみを惨殺する猟奇殺人犯"両角"を演じている。まるで幼い子供のように、純粋なまま残虐な殺人を行う両角は作中の中で登場した「本当にいると思わせるようなリアルなキャラクター」という台詞の通り、もしかしたら本当にいるかもしれないと思わせるほどの"リアルさ"を感じさせ、それがこの作品の不気味さを一手に担っていた。

■キャラクターは伝染する

 この映画のテーマの一つが「キャラクターというのは伝染する」ということだと筆者は受け取った。その実在する人間だろうが、実在しない人間だろうが、そのキャラクターのインパクトが強ければ強いほど、人に影響を与え、受け手も気づかないうちに、その人自身の思考の要素になることもある。

 今、私たちが自分だと思っているものは、誰かの思想や触れてきたものが寄り集まったものに過ぎない。だからこそ"両角"というキャラクターを通して、思想、そして狂気や殺人までも伝染していく様が、何よりも怖く映った。

 そして私とは何者か? 何によって、その「キャラクター」は定められるのか? どんな時に、自分というキャラクターが生きている実感を伴って、存在しているのか?

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