「いま、バックミラー見たな」「ええ、2回目です」路上で繰り広げられる攻防戦

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 タレントの移動はたいてい所属事務所の車だが、それは目印にもなるため、タクシーを使うタレントも少なくなく、また局アナは電車通勤だったり、ターゲットによって車、バイク、徒歩と変えて臨む。路上ではスパイ映画さながらの駆け引きが展開される。

「いま、バックミラー見たな」

「ええ、2回目です」

 見たのはタクシー運転手だが、それをタレントが指示した可能性もある。すぐさまスマホを取り出し、先ほど局で張り込んだ記者の運転する車と、尾行を交代した。そうやって、ついにターゲットの転居先を突き止めた。そこは瀟洒なマンションであった。

 結婚相手の度重なる不義理を報じられ、新居から姿を消して以降、やはり別居していた。住所が割れれば、そこに1年目の新人をロケ班に送り出すというのが、ひとつのパターンだ。ターゲット行きつけの飲食店が分かったら、その店に同伴で入ってくれるモデル崩れのような女性要員はだいたいどの週刊誌も抱えている。

 ワイドショー全盛の、芸能取材が過熱していた頃は、ターゲットの家のごみ漁りまでして、情報を得たところもあったらしいが、今はそういうことはしない。住民らの目があるし、タレントにSNSで告発される恐れだってある。あるアイドルグループなどは、怪しい車を見つけたらすぐに写メで共有するなど、警戒を怠らない。そこで車を変え、スタッフを変えつつ張り込んだある日、大学生にしかみえない新人記者の見つめる中、ターゲットが姿を見せた。

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