寄稿:藤島メリー泰子さん追悼秘話 おっかない中年夫人の無理難題に良くも悪くも翻弄された

公開日: 更新日:

 そんな厳しさもある一方、お気に入りのマッチ(近藤真彦)にはめっぽう甘く、氏家会長との会食に1時間半遅れで現れたマッチにおとがめなしで「今日のレースはどうだったの?」と溺愛する母のように話しかけた。氏家会長との会食に遅刻する人などまずいない。海外育ちのメリーさんは前近代的だった芸能界にビジネスの概念を持ち込んだ開拓者である一方、タレントへの偏愛ぶりも見せた。これも強力なタレントを次々と生み出す“ジャニーズイズム”なのかもしれない。ある日の会食で、社内事情に詳しくちゃめっ気のある氏家会長が言った。

「メリーさん。そこに座っている吉川は今抗うつ剤を飲んでいるんですよ」

 場の空気が固まった。会長も洒落が過ぎたかなという顔をしている。メリーさんは真剣な顔になり「吉川さん、あなた、心をもっと強くしないと駄目。本当よ」。

 氏家さんがちょっとほほ笑んで言う。

「いや、メリーさん。我が社ではそのくらい本気で仕事しないと生き残れないということですよ。ハハ」

 氏家さんは笑っていたがメリーさんはまだ真顔で私の目を真っすぐに見ながら言った。

「吉川さん。薬なんかに頼っちゃ駄目。気の持ち方一つ。長く、強くタフに生き残って下さいね」

 あの時の強いメリーさんの目力は一生忘れないだろう。

 合掌。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「豊臣兄弟!」白石聖が大好評! 2026年の毎週日曜日は永野芽郁にとって“憂鬱の日”に

  2. 2

    川口春奈「食べ方が汚い」問題再燃のお気の毒…直近の動画では少しはマシに?

  3. 3

    あの人「なんか怖い」を回避する柔らかな言葉遣い

  4. 4

    自分探しで“変身”遂げたマリエに報道陣「誰だかわからない」

  5. 5

    (1)高齢者の転倒は要介護のきっかけになりやすい

  1. 6

    2度目の離婚に踏み切った吉川ひなの壮絶半生…最初の夫IZAMとは"ままごと婚"と揶揄され「宗教2世」も告白

  2. 7

    「誰が殺されてもおかしくない」ICE射殺事件への抗議デモ全米で勃発

  3. 8

    解散総選挙“前哨戦”で自民に暗雲…前橋出直し市長選で支援候補が前職小川晶氏に「ゼロ打ち」大敗の衝撃

  4. 9

    業績悪化で減収減益のニトリ 事業の新たな柱いまだ見いだせず

  5. 10

    チンピラ維新の「国保逃れ」炎上やまず“ウヤムヤ作戦”も頓挫不可避 野党が追及へ手ぐすねで包囲網