新田恵利さん仕事と介護両立の6年半 最愛の母ひで子さんを自宅で看取り、胸中語る

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 仕事と介護を両立させ、この春、最愛の母ひで子さんを自宅で看取ったタレント新田恵利(53)。その6年半の泣き笑いを、著書「悔いなし介護」にまとめて話題だ。

 新田流の心得のひとつとして書かれているのが「言いふらし」。「不満は本人に言わず周りに吸収してもらおう」とし、ストレスをためない工夫を見いだしたそうだ。

「やれるだけやってダメなら、その時考えよう」「喜ばれなくてもいい。自分がやりきったと満足できればそれでいい」などと、新田語録が並ぶ。9月下旬の発売を前に、胸中を聞いた。

「本当なら、この書籍は昨年9月の出版を予定していました。ところがその8月に母の具合が悪くなり、入院。担当医の先生から『終末』とのことばがあり、原稿が進まなくなってしまったのです。まして、母のことを書いているんです。とてもそんな状況で、頑張ろうという心境にはなれませんでした」

 それでも書き上げることができたのは、そのお母さんの生きざまを目の当たりにしたことが大きかったという。

「病院で母は持ち直し、92歳のお誕生日を迎えることができたんです。もう、日々の体調の変化ですらなく、刻々と変化していく中も、精いっぱい生きている母を目の当たりにして、改めて命の重みを感じました。つぎは今年に入ってから、母が亡くなるまでの82日間を振り返り、看取りを中心に書いてみようと思っています」

YouTubeチャンネル「新田工務店」を開設

 これからも介護での経験で培った知見を伝えていく。

「家族が減るのは寂しいですよね。母を送ったときは、3つ上の兄も私も、母の希望通りの葬儀をきちんと執り行う自信がなかったので、事前に葬儀会社に連絡し、予約しておきました。来るべき現実を突きつけられるようでつらかったのですけど、その結果、ゆっくりお別れの時間を持つことができた。私も、私の人生を母のように最期まで幸せに生きたいなと思いますし、そのためには、知っておいた方がいいこと、やっておいた方がいいことはたくさんあると思うのです」

 もう、終末プランを思い描いていると。

「私たち夫婦には子供がいないので、母のように子供たちに囲まれての旅立ちは無理。自分たちがどういうゴールを迎えたいのか考え、要介護になる可能性も認めて、貯蓄保険による備えが大切だと思っています。私は最期、桜の木の下に散骨してほしいですね。昔から老後ばかり考えていた私ですが、ここ数年は最期を考えるようになりました。不安だからじゃなく、幸せに人生を終わらせるために。早いですねぇ、時の流れって……」

 コロナ禍でデビュー35周年記念ライブも延期、講演のオファーもすべてキャンセルと、活動に制限のかかる日々が続いている。

「母を看取り、時間に余裕をもてたこともあって、ユーチューブに『新田工務店』というチャンネルを開設させていただきました。コロナで直接会うのが難しくなり、寂しさや人恋しさから、つながることの大切さを痛感したことも大きなきっかけ。いくつになっても新しいことはあって、挑戦できるのは幸せですね」

 元おニャン子の会員番号4番は、目元にきれいな笑いじわを浮かべた。

(取材・文=長昭彦/日刊ゲンダイ

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