児玉愛子
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児玉愛子韓国コラムニスト

韓流エンタメ誌、ガイドブックなどの企画、取材、執筆を行う韓国ウオッチャー。新聞や雑誌、Webサイトで韓国映画を紹介するほか、日韓関係についてのコラムを寄稿。Webマガジン「オトナの毎日」でイラストエッセー【毎日がエンタメ】を連載中。

映画「ビースト」に見る韓国社会の縮図「糞はかき回すほど悪臭が出る」

公開日: 更新日:

■スキャンダルを抱えた候補者同士が批判合戦

 与党の公認候補に選出された李在明(イ・ジェミョン)京畿道知事は不動産開発をめぐる不正で側近が逮捕されたばかり。野党の最有力候補である尹錫悦(ユン・ソギョル)前検察総長はこれまで文在寅(ムン・ジェイン)大統領と激しく対立してきたが、ここにきて職権乱用など複数の容疑で捜査対象になっている。こうした構図に候補者の一人からは「犯罪者同士が戦う大統領選」という批判まで飛び出す始末。

「イカゲーム」の敗者に待っているのは“死”であり、「ビースト」の敗者には“絶望”があった。大統領選の敗者に待ち受けているのは“刑務所”の可能性もあり、やるかやられるかの様相を呈している。大統領選の結果によっては、文大統領も窮地に陥るかもしれないのだ。

 韓国には「糞はかき回すほど悪臭が出る」ということわざがある。よくないことに触れれば触れるほど状況が悪化し、悪いことしか起きないという意味だ。

 大統領選の候補者たちは対立候補を口汚くののしり、「性的暴行の自白犯」「豚の目には豚しか見えない」「自分の頭と口を洗濯すべき」といった言葉が飛び交っている。すでに強烈な悪臭を放っており、隣国のことながら心配になってしまう。

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