著者のコラム一覧
児玉愛子韓国コラムニスト

韓流エンタメ誌、ガイドブックなどの企画、取材、執筆を行う韓国ウオッチャー。新聞や雑誌、Webサイトで韓国映画を紹介するほか、日韓関係についてのコラムを寄稿。Webマガジン「オトナの毎日」でイラストエッセー【毎日がエンタメ】を連載中。

映画「ビースト」に見る韓国社会の縮図「糞はかき回すほど悪臭が出る」

公開日: 更新日:

 Netflixで配信中の韓国ドラマ「イカゲーム」が世界的な大ヒットとなっている。いわば韓国社会の負け組に属する人たちが大金をめぐって命懸けのゲームに参加するというストーリー。それは自分が生き残るために他人を犠牲にしなければならないという過酷な生存ゲームである。時につらい選択を迫られるので、見ている方も胸を締め付けられる。

 15日に日本で公開の韓国映画「ビースト」でも、2人の刑事がポストをめぐって壮絶な争いを繰り広げる。刑事たちは“課長”に昇進するために事件を解決しようとするが、出世欲から別の事件に巻き込まれ、歯車を狂わせていく。誰かを犠牲にしないと勝ち抜けない点では「イカゲーム」とも共通しているが、これは今の韓国社会の縮図とも思える。

 日本とは比べようもないほど学歴社会の韓国は、熾烈な受験戦争に加えて年々厳しさを増す就職活動と組織内での昇進レースと無限に続く競争社会。経済格差も深刻で、将来に不安を抱く若者たちは、来年3月に行われる大統領選に注目している。

 ところが、与野党とも候補者に複数の疑惑が浮上し、すでに捜査対象になっているという、まるでドラマや映画のような展開になっている。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 2

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  3. 3

    前田健太は巨人入りが最有力か…古巣広島は早期撤退、「夫人の意向」と「本拠地の相性」がカギ

  4. 4

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  5. 5

    来春WBCは日本人メジャー選手壊滅危機…ダル出場絶望、大谷&山本は参加不透明で“スカスカ侍J”に現実味

  1. 6

    詞と曲の革命児が出会った岩崎宏美という奇跡の突然変異種

  2. 7

    高市政権にも「政治とカネ」大噴出…林総務相と城内経済財政相が“文春砲”被弾でもう立ち往生

  3. 8

    「もう野球やめたる!」…俺は高卒1年目の森野将彦に“泣かされた”

  4. 9

    連立与党の維新が迫られる“踏み絵”…企業・団体献金「規制強化」公明・国民案に立憲も協力

  5. 10

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋