結成50年「はっぴいえんど」人気が続く理由 音楽プロデューサー三浦光紀氏に聞いた

音楽プロデューサーの三浦光紀氏（Ｃ）日刊ゲンダイ

　三浦さんは72年、キングレコード内にベルウッド・レーベルを創設。はっぴいえんど、小室等、高田渡、大瀧詠一、細野晴臣、あがた森魚らの作品を制作してきた。

「ベルウッドは詩人の集まりで〈言葉が命〉だったけど、はっぴいえんども一番びっくりしたのは詩でした。（作詞担当の）松本さんのテーマは恋とか好きとかじゃなくて、ずっと〈風街〉〈CITY〉とか都市だったし、文学的表現にこだわっていて、ですます調もすごく新鮮でした。でも曲と歌を担当していた他の3人も自分の言葉を持っていた。だから解散してシンガー・ソングライターになっていきました」

　三浦さんは国内で「風街ろまん」を制作後に、「世界と同じレベルで録音させたい」と、事実上解散状態のメンバーを連れて渡米。LAで「HAPPY END」をレコーディング。73年にベストアルバム「CITY」をリリースした。

「彼らがソロになることは分かっていたから、世界を体感してもらいたかったんです。彼らが海外の技術を伝えたこともあって、日本の録音技術も世界レベルになった。はっぴいえんどはアートを追求するバンドだから金がかかりましたね」

　ベルウッドも来年50周年。最後となる音楽イベントのオファーはすでに殺到しているそうだ。