ホルムズ海峡「通航料20%」早々に撤回 トランプ大統領また“TACO”でも拭えない物価高長期化リスク

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「世界中に平和と繁栄をもたらせるのはドナルドだけ」──。今年3月の日米首脳会談で、高市首相はトランプ米大統領をそう称賛したが、改めていかにアホ丸出しのリップサービスだったかハッキリした。米国とイランが停戦に向けた「覚書」に署名してから1カ月足らず。世界の要衝たるホルムズ海峡を巡り、再びキナ臭くなってきた。

 トランプ大統領は13日、自身のSNSで覚書合意に伴い解除したイランへの海上封鎖を再開すると表明。〈米国は今後、『ホルムズ海峡の守護者』として知られるようになる〉と強調し、〈極めて不安定な海域に安全と安定を提供するために必要なコストの対価として、輸送貨物の20%相当額を受け取る〉とブチ上げた。

 ところが、翌14日になって「通航料20%」を早々に撤回。〈代わりに湾岸諸国との貿易・投資合意に置き換えることを決定した〉と発表した。果たせるかな、わずか1日で「TACO」(トランプ大統領は常にビビってやめる)に陥ったというわけ。世界に平和と繁栄をもたらすどころか、ただただ混乱を招いているだけである。

 そもそも、通航料20%はハナから無理な計画だった。米ブルームバーグ(13日付)によれば、通航料20%が導入された場合、満載の超大型原油タンカー(VLCC)では約3200万ドル(約52億円)の支払いになるという。ブラジルのルラ大統領は対価要求に「かつては海賊とみなされていた行為だ」と批判したが、もはや海賊が可愛いレベルだ。

「常軌を逸しているトランプ大統領とはいえ、通航料20%は荒唐無稽に過ぎる。『ホルムズ海峡はフリー』という米国の従来の主張と真っ向から矛盾するだけでなく、実現可能性も乏しい。なぜ20%なのかも根拠不明です。イランが課しているとされる『1バレル1ドル』、約1%の通航料でも巨額なのに、20%なんて容認されるわけないのです」(元外務省国際情報局長・孫崎享氏)

 高市政権はといえば、例によってダンマリだった。木原官房長官は14日の会見で、「具体的な詳細は現時点で必ずしも明らかではない」とモニョモニョ。赤沢経産相も「コメントを差し控えたい」とお茶を濁していた。

 トランプ大統領の機嫌を損ねまいとする“三下ムーブ”は相変わらずだが、いつまで狂人に振り回され続けるつもりなのか。あのトランプ大統領のことだ。イランとの対立の火に油を注ぎ、原油高・物価高のさらなる長期化を招きかねない。

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