衰退日本の地方(2)目指すは人口増ではなく賢く縮む策「地域と人口減少の経済学」小峰隆夫著

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 少子化の勢いはまったく止まらず、みるみるうちに地方が先枯れしている。

  ◇  ◇  ◇

「地域と人口減少の経済学」小峰隆夫著

 団塊世代で経済企画庁の元官庁アナリストの著者。日本の高度成長と人口急増のさなかに育ち、バブルから「失われた」年月、そして現在の少子高齢化までを見届けた世代だけに思うところは多いはず。著者は「人口が減っても、地域で暮らす人々のウェルビーイングが損なわれない」ことを目指すべきだという。ウェルビーイングとは「生活の幸福感、福祉水準、所得水準などが良い状態にあること」。そのために著者が提案するのが「スマート・シュリンク」。直訳すれば「賢く縮む」だが、著者は無理に人口増をねらうのは得策ではないというのだ。

 ではどうするか。その具体策が「共有型」の地域創生だ。従来成功とされた政策は特定地域が独自の資源を活用した例が多く、よそで真似できることは少なく、見学者だけが多い「劇場型」となる。これに対して本書のいう「共有型」はどこでも活用可能な普遍性のある提案。そのために著者は統計数字の裏を読む。たとえば東京の出生率は低いが、東京には進学や就職などで未婚女性の流入が多いことが一因。統計の精査と動態傾向をもとにした本書は官庁アナリストならではだ。 (中央公論新社 990円)

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