著者のコラム一覧
細田昌志ノンフィクション作家

1971年、岡山市生まれ、鳥取市育ち。CS放送「サムライTV」キャスターから放送作家としてラジオ、テレビの制作に携わり、ノンフィクション作家に。7月に「沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修評伝」(新潮社)が、第43回講談社本田靖春ノンフィクション賞を受賞。

五木ひろしの光と影<17>他の審査員の目に留まっては横取りされてしまう

公開日: 更新日:

「全日本歌謡選手権」の審査員をしていた山口洋子が、番組の出場者で無名の下積み歌手、三谷謙を初めて見たのは1970年11月下旬と思われる。三谷謙の歌唱力に衝撃を受けた彼女の、以後の行動を要点ごとにまとめると次の通りとなる。

平尾昌晃の自宅に電話をして「一緒に三谷謙の再デビュー曲を作ろう」と持ち掛ける

②8編の詞をしたため平尾昌晃に渡す

③平尾昌晃は「あの人は行ってしまった」という不思議な詞にポップス調の曲をつける

④三谷謙の所属するプロダクションを探す

 三谷はこの時点で6週目まで勝ち抜いていたというから、おそらく④は年明け1971年初頭だろうと思われる。つまり①~③を慌ただしい師走にやり切っていることになる。この早急さは尋常ではない。

 そうでなくても彼女の本職はクラブママである。それをたった1カ月とちょっとで、ここまでのことを推し進めた。そもそも、三谷謙は、まだ10週勝ち抜いてさえいないのである。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  2. 2

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  3. 3

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  4. 4

    片山さつき財務相の居直り開催を逆手に…高市首相「大臣規範」見直しで“パーティー解禁”の支離滅裂

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  1. 6

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  2. 7

    森田望智は苦節15年の苦労人 “ワキ毛の女王”経てブレーク…アラサーで「朝ドラ女優」抜擢のワケ

  3. 8

    臨時国会きょう閉会…維新「改革のセンターピン」定数削減頓挫、連立の“絶対条件”総崩れで手柄ゼロ

  4. 9

    阪神・佐藤輝明をドジャースが「囲い込み」か…山本由伸や朗希と関係深い広告代理店の影も見え隠れ

  5. 10

    阪神・才木浩人が今オフメジャー行きに球団「NO」で…佐藤輝明の来オフ米挑戦に大きな暗雲