(37)古都・鎌倉にて軽いハシゴ酒
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日ごろの生活圏から少しだけ離れた街に飲みに行くのは楽しい。気の向くままに電車に乗り、乗ってから下車駅を決めるようなこともある。鎌倉は、そんな遠足酒の行先として、とても魅力的だ。
お世話になった方が東日本大震災の年に開いた立ち飲み屋がある。ちょっとしたつまみと、レモンサワーがうまい。料理上手の主人が亡くなって7年になるが、コロナ禍を挟んだので、ずいぶんご無沙汰をしている。この主人が賄い用に作った濃いめのレモンサワーは客の受けが良くて、それなら店に出そうということで、正統派レモンサワーとして売り出したときは笑った。濃いめ、すなわち正統派、という捉え方が痛快だと思った。
同じ通りの焼き鳥屋もうまい。いつも混んでいて、入れないことも何度もあった。こういう店の、たったひとつ空いている席に滑り込んだときには、なんともいい気分になれる。還暦過ぎた私が、居酒屋で初めてひとりで飲んだ若いときのように、やや緊張したりする。その気分を味わいに、わざわざ出かけているのかもしれない。















