数々の最高裁判断で建国250年の米国大揺れ 出生地主義が守られたことで「移民の国」は首の皮一枚つながった
建国250年という節目で、一連の最高裁判断がアメリカを激震させている。多くはトランプ政権の政策をめぐるもので、それぞれトランプ勝利、敗北と報じられているが、それだけでは全体を見誤る。
最大の焦点は、トランプ指名判事により極端に右傾化したアメリカ最高裁が、この国を大きく過去へ巻き戻したことだ。大統領権限、移民保護、そして「誰がアメリカ人なのか」という概念まで、民主主義を支えてきた柱が同時に揺らいだのである。
まず最高裁は、連邦取引委員会のような独立規制機関の幹部を、大統領が理由なく解任できるとした。アメリカではこれまで、消費者保護や労働政策などを、政権に左右されない専門機関が担ってきた。大統領が「忠誠」で支配することへの防波堤でもあった。それを取り払うことは、大統領にさらに大きな権限を与え、ニューディール以降の約90年を巻き戻すことにもなる。
また、ハイチ人らに与えられていた「一時保護資格」の打ち切りを認めた。戦争、災害、政情不安などで本国に帰ることが危険な場合、滞在と就労を一時的に認める制度である。対象者の多くは10年以上アメリカで働き、子どもを育て、地域社会の一部になってきた。そんな130万人近くが路頭に迷う可能性がある。


















