ペットボトルが増える夏…糖尿病は「血糖トレンド」の管理を
今年は梅雨明け後から暑くなり、多くの地域で平年以上の高温となる見込みだ。水分補給が欠かせない季節だが、ペットボトル飲料を利用する機会が増える糖尿病患者やその予備群は注意したい。夏は熱中症だけでなく、脱水や糖分を多く含む飲料の摂取で高血糖を招きやすく、「何を飲むか」が症状を左右する。アボットジャパン合同会社主催のセミナーで講師を務めた「おばな内科クリニック」(神奈川県川崎市中原区)の川名部新院長に話を聞いた。
厚労省の集計によると、20歳以上で「糖尿病が強く疑われる人」は2013年以降増加傾向にあり、「その可能性を否定できない人」を合わせると約2割に達する。
糖尿病は、膵臓から分泌されるインスリンの不足や働きの低下で、血液中のブドウ糖(血糖)が慢性的に高くなる病気だ。高血糖が続くと、糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害の「3大合併症」をはじめ、脳梗塞や心筋梗塞、閉塞性動脈硬化症など、命に関わる病気のリスクも高まる。予防には日頃の血糖管理が欠かせない。
近年、その手段として注目されているのが、「血糖トレンド」という考え方だ。従来の血糖自己測定は、測定時点の“点”の血糖値しかわからない。しかし、持続グルコース測定(CGM)を用いれば、腕などに装着するだけで入浴や睡眠中を含めた24時間の血糖変動を連続的に“線”として可視化できる。
血糖トレンドを知ることは、酷暑の健康管理にも役立つ。血糖値が高くなると、余分なブドウ糖が尿中へ排泄され、体水分も失われやすくなる。糖尿病歴の長い人は自律神経障害で発汗機能が低下し、熱を逃がしにくい。脱水になると血液が濃くなり、血糖値はさらに上昇しやすい。放置すると高血糖↓脱水↓熱中症↓さらなる高血糖という悪循環に陥る。
「熱中症は単なる水不足ではありません。脱水が進むと血液が濃くなって循環が悪くなり、体温調節もうまくできなくなります。糖尿病の患者さんでは脱水によって血糖値がさらに上昇しやすく高血糖になると尿量が増えて脱水がさらに進むという悪循環に陥ります。重症化すると意識障害や昏睡など命にかかわる状態になることがあります」


















