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吉田隆記者、ジャーナリスト

1984年に写真週刊誌「FRIDAY」の創刊準備メンバーとして専属記者契約を結ぶ。87年の大韓航空機爆破事件では、犯人の金賢姫たちが隠れていたブダペストのアジトを特定、世界的に話題となる。初代「張り込み班チーフ」として、みのもんたや落合博満の不倫現場、市川染五郎(現・松本幸四郎)や石原慎太郎の隠し子、小渕恵三首相のドコモ株疑惑などジャンルを問わずスクープ記者として活躍。

<137>計算書も何もない簡素な「合意書」に手数料300万円の不可解

公開日: 更新日:

 私は渋っているFさんから、その合意書をやっとのことで見せてもらった。そこには信じられないほど簡単な文言が並んでいて、証拠となる計算書も添付されていなかった。たった1枚の紙切れである。

「FさんはUとFの2人の弁護士との間で契約書を作成しましたか?」

「いいえ、何もしていませんよ」

「それで300万円もの手数料を取られた?」

「ええ」

 これが本当なら大問題である。もっとも高齢のFさんは法律に詳しいわけではなかったので、同席していたという息子さんを交えて、後日3人で話すことにした。

「はっきりと言いますが、Fさんたちはごまかされています。まず、300万円という手数料は一体、誰が取ったと思いますか?」

 後日、息子さんも交えて話し合いが始まった。

「弁護士さんでしょ」

「ええ、Fさんがそのように思い込むのも分かります。しかし、あの2人の弁護士は野崎早貴と契約をしているので、相手方であるFさんから手数料を取ることはできないと法律で決まっているんです」

「はあ? そうなんですか?」

 Fさんが驚いた声を出した。(つづく)

【連載】紀州のドン・ファンと元妻 最期の5カ月の真実

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