(3)深作欣二監督との縁…映画監督というより土木作業の現場監督に見えた

公開日: 更新日:

 これに1人、また1人と続き、いつしか誰が一番遠くまで飛べるかで競い合っていた。撮り直しですっかり沈んでいた現場の空気が一気に和んだのは言うまでもない。

 実は、この映画のロケで俳優の室田日出男さんがトラブルを起こした。

 深夜、泥酔した室田さんがホテルの玄関のガラスを割って外に出て、白い雪を血で染めて大暴れしたのである。

 私と曽根晴美さんが室田さんを必死で押さえ、なんとか車に乗せ、病院まで運んだ。しかし、全身をガラスで切っている。縫合箇所が多い上、大量の酒を飲んでいるため麻酔が効かない。看護婦さんの力だけでは暴れる室田さんを押さえられず、曽根さんと私が力を貸すしかなかった。

 怒り心頭だったのが深作監督である。

「こんなバカはいらねぇ。すぐに東京に返せ!」

 結局、室田さんは出番のないまま無念の降板となり、しばらく仕事を干されることになった。

 しかし、深作さんは人情と思いやりの人である。室田さんの役者としての力量も認めていた。だから、5年後に自身の監督作「脅迫 おどし」(三国連太郎主演)に起用。これをきっかけにして室田さんは名脇役としての地位を築いていった。=つづく

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    TBS「ラヴィット!」の“テコ入れ”に不評の嵐! グダグダぶりを楽しむ独自性損失で視聴者離れ加速危機

  2. 2

    「おい、おまえ、生意気なんだよ」 野村監督は俺の挨拶を“ガン無視”、暴れたろうかと考えた

  3. 3

    「オールスター感謝祭」で“ブチギレ説教” …島崎和歌子は今や「第2の和田アキ子」の域

  4. 4

    NHK朝ドラ「風、薫る」巻き返しを阻む“最大のネック”…見上愛&上坂樹里Wヒロインでも苦戦中

  5. 5

    米国とイランが2週間の停戦合意も日本は存在感ゼロ…お粗末すぎた高市外交を識者「完全失敗」とバッサリ

  1. 6

    スピードスケート引退・高木美帆にオランダが舌なめずり “王国復権の切り札”として白羽の矢

  2. 7

    高市政権が非情の“病人切り捨て”強行で大炎上! 高額療養費見直し「患者の意向に沿う」は真っ赤なウソ

  3. 8

    ブチ切れ高市首相が「誤報だ!」連発 メディア、官邸、自民党内…渡る政界は「敵ばかり」の自業自得

  4. 9

    JFAは森保一氏の“囲い込み”に必死 W杯後の「次の日本代表監督」のウワサが聞こえない謎解き

  5. 10

    『エニイ・タイム・アット・オール』1964年のジョンのギターを聴くだけで元気が出る