映画「ウエスト・サイド・ストーリー」が突き付ける“移民問題”という現代的テーマ

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 スティーブン・スピルバーグ監督初の本格ミュージカル映画「ウエスト・サイド・ストーリー」(公開中)の評判が上々だ。1957年初演のブロードウェー・ミュージカルを「ウエスト・サイド物語」(61年)に続く2度目の映画化。前作は歴史的な名作で再映画化は鬼門といわれていたが、そうした不安を払拭した形だ。映画批評家の前田有一氏がその魅力をこう語る。

「画面の色彩や衣装などオールドムービーの風格を再現しつつ、音響やカメラワーク、ダンスは最新映画らしいド迫力です。61年版と違い吹き替えなしの歌を披露する主要キャストは1年以上かけて探したほどで、楽曲に余計なアレンジを加えていない点も往年のファンにはうれしい。トニーとマリアがバルコニーで“トゥナイト”を歌うおなじみの名場面の感動も、61年版以上かと思えるほどです」

 シェークスピアの戯曲「ロミオとジュリエット」を50年代のNYを舞台に翻案。ヨーロッパ系の移民グループ“ジェッツ”とプエルトリコ系“シャークス”の抗争の中、それぞれに属するトニー(アンセル・エルゴート)とマリア(レイチェル・ゼグラー)の悲恋を描く。

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