ロシアの18歳フィギュア選手にスポーツが政治を超える瞬間を見た
ミラノ・コルティナ冬季五輪は、最古で現役の競技場アレーナ・ディ・ヴェローナで閉会した。そのメッセージは「選手が競い合い、高め合い、抱き合う姿が世界に夢を与え人々をつなぐ」だった。
オリンピックは19世紀末の帝国主義がはびこる情勢に誕生した。軍備増強と列強抗争の激化する中で古代オリンピア祭を復活させ、国際平和をスポーツにより実現しようという試みだった。「武器をおいてオリンピアに集まれ!」という休戦思想の復古であるが、その後、世界は2つの大戦を起こし、夏冬5大会の五輪が中止を余儀なくされた。
しかしオリンピックは諦めず、常に政治と向き合い生き残ろうとしてきた。五輪開催反対だったヒトラーを国威発揚の機会とだまし1936年ベルリンを開催し、米国黒人選手ジェシー・オーエンスの活躍でアーリア民族の優位性を否定した。アフガニスタンのソ連侵攻を非難しカーターが呼びかけた80年モスクワのボイコットに英国、仏国、西国など西側十数カ国が参加、政府の無力をアピールした。冷戦が終結し、世界が自由と民主で浮足だった直後、民族紛争が起き派遣母体を失った選手を独立五輪選手団として92年バルセロナに参加させた。難民問題が起きると2016年リオでは難民選手団を育成し五輪参加の道を開いた。


















