著者のコラム一覧
春日良一五輪アナリスト

長野県出身。上智大学哲学科卒。1978年に日本体育協会に入る。89年に新生JOCに移り、IOC渉外担当に。90年長野五輪招致委員会に出向、招致活動に関わる。95年にJOCを退職。スポーツコンサルティング会社を設立し、代表に。98年から五輪批評「スポーツ思考」(メルマガ)を主筆。https://genkina-atelier.com/sp/

柔道、バレー、バスケ…屋内競技の「冬季五輪移行」が囁かれる背景

公開日: 更新日:

 ミラノ・コルティナ冬季五輪は熱戦を繰り広げているが、実は冬季五輪の将来は憂慮しなければならない状況にある。大会直前に開かれた第145次国際オリンピック委員会(IOC)総会で、コベントリーIOC会長の肝いりで設けられた未来適合部会(Fit For The Future)の冬季五輪を改造する強い意思表明がなされた。具体的なことは一切明かされず、「大胆な変革も柔軟に考えなければならない時だ」との言質は冬季五輪常連の競技団体に重く響いた。

 その構想は漏れ伝わる情報から考察すれば、夏季五輪の一部競技の冬季大会への移行が主題となっているようだ。メディアは夏季五輪のコスト削減をもくろんでいると定番の論理展開だが、問題の核心は地球が抱える環境問題である。

 既に2023年10月にIOCは「気候変動の影響により、2040年までに雪上競技を開催できる国はわずか10カ国になる」と発表し、将来の冬季五輪開催の危機を認識していた。10年バンクーバー、14年ソチ、18年平昌はいずれも人工雪にある程度依存する状況だったが、直近の22年北京では人工雪の使用量は前例のない多さだった。

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