著者のコラム一覧
髙橋裕樹弁護士

「すべては依頼者の笑顔のために」がモットー。3000件を超す法律相談実績を持ち、相続や離婚といった身近な法律問題から刑事事件、企業法務まで何でもこなすオールマイティーな“戦う弁護士”。裁判員裁判4連続無罪の偉業を成し遂げた実績を持つ。アトム市川船橋法律事務所。

大阪・道頓堀の3人殺傷事件 被疑者が「留置場を出たくない」と言えば送検は拒否できるのか

公開日: 更新日:

 大阪・道頓堀で発生した3人殺傷事件で、逮捕されている被疑者が「送検拒否」をしたとの報道がありました。「送検拒否」という言葉から、送検されたくなければ拒否できるのか? と感じた方も多いでしょう。本人の感情で手続きが止まってしまっているように見えますが、実際は違います。

 基本的に逮捕された被疑者は、警察署の「留置場」に収容されます。その後、検察官による取り調べを行うため、被疑者の身柄は、警察から検察に送られます。これが検察官送致、いわゆる「送検」です。送検は、警察から検察へ事件の捜査書類と被疑者の身柄を引き継ぐ手続きです。このとき、本人が「行きたくない」と言って留置場から出ることを拒否したとしても、送検の手続きそのものを止める効力はありません。被疑者が留置場から出ることを拒否しても、刑事手続き自体は問題なく進められる仕組みになっています。逮捕~送検~勾留という一連の流れは、時間や手順が厳格に決められており、被疑者の意思で変わるものではないのです。

 今回のケースでは、本人が留置場から出るのを拒んだために、警察が書類だけを検察に送って送検手続きを完了させたと伝えられています。これも法律上は問題なく、実務上の対応の一つです。

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