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児玉愛子韓国コラムニスト

韓流エンタメ誌、ガイドブックなどの企画、取材、執筆を行う韓国ウオッチャー。新聞や雑誌、Webサイトで韓国映画を紹介するほか、日韓関係についてのコラムを寄稿。Webマガジン「オトナの毎日」でイラストエッセー【毎日がエンタメ】を連載中。

線路しかなかった町の奇跡! 韓国では秘境の「手作り駅」が観光スポットに

公開日: 更新日:

 韓国の首都ソウルは街の変化が激しく、ガイドブック泣かせだ。古き良き時代の街並みも再開発工事によってビル街に変わっている。繁華街は店の入れ替わりも頻繁で、ガイドブックの発売時には別の店になっていることも珍しくない。

 一方、この大都市を離れると、昔と変わらない風景も広がっている。4月29日に日本で公開される韓国映画「手紙と線路と小さな奇跡」(原題:奇跡)では、韓国で初めて民間によって作られた「両元(ヤンウォン)駅」が登場。今では在来線の「ムグンファ号」も停車するが、1988年に住民たちの負担で設置された私設駅だ。映画は駅を開設するまでの道のりをモチーフにし、「僕の村には道路がありません。冗談のようですが、線路しか通っていないのです」という手紙から始まる。当時の韓国・慶尚北道にある田舎町の話だ。駅どころか道路環境も劣悪で、道といえば嶺東(ヨンドン)線の線路だけだった。

 周辺に住む人々はどこへ移動するのにも、まずは隣駅まで線路の上を4キロも歩かなければならなかった。トンネルを抜け、桟橋も渡らなければならない。不便なのはもちろん、深刻なのは線路の歩行中に起こる列車事故だ。歩行者の死亡事故が起きたり、ケガ人が出たりすることもしばしばあった。

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