著者のコラム一覧
本多正識漫才作家

1958年、大阪府生まれ。漫才作家。オール阪神・巨人の漫才台本をはじめ、テレビ、ラジオ、新喜劇などの台本を執筆。また吉本NSCの名物講師で、1万人以上の芸人志望生を指導。「素顔の岡村隆史」(ヨシモトブックス)、「笑おうね生きようね いじめられ体験乗り越えて」(小学館)などの著書がある。新著「1秒で答えをつくる力──お笑い芸人が学ぶ『切り返し』のプロになる48の技術」(ダイヤモンド社)が発売中。

さや香は元気でハキハキしていて「思わず見てしまう」雰囲気を持っていた

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「M-1グランプリ2022」は結果としてウエストランドの“毒舌漫才”が圧勝しましたが、さや香も大健闘。“しゃべくり漫才”の可能性をより高めてくれたと思いました。審査員の志らくさんが「(中田)ダイマル・ラケット、(夢路)いとし・(喜味)こいしを5点満点にしちゃうと、もっと頑張れよで3点ぐらいになっちゃう」と評しておられましたが、「爆笑王」「神様」と評される両師匠方と比較をされただけでも漫才に携わる者として非常に大きなことだと感じました。

 日常生活の中にある事柄を違う視点から見て、自分の理屈を押し通していこうとするネタの構成は見事で、漫才の原点を見たようでした。恐らくテーマは無限にあるでしょう。あとは、どう“さや香らしく料理していくか”にかかっています。NSC(養成所)時代は何度か結成・解散を繰り返していましたが、どのコンビの時も存在感を発揮していました。

 まず、元気でハキハキしているから、ネタ見せでも“思わず”見てしまう。この“思わず”と思わせることが大切なことなのです。ただただ言葉を吐き出しているだけでは「思わず見てしまう」になりません。私はどんなときも贔屓や好みに流されないように極力フラットな気持ちで見ていますが“雰囲気”のあるコンビは「思わず見てしまう」ものです。抽象的な言い方で申し訳ありませんが、私が一番大切にしているこの“雰囲気”を持っていました。

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