映画評論家・白井佳夫さんは90歳「映画は数ある娯楽のひとつに。むしろ正しい位置でしょう」

公開日: 更新日:

白井佳夫さん(映画評論家/90歳)

 近年は邦画というと、アニメが元気な一方、実写作品は苦戦。製作陣も俳優も忸怩たる思いがあるのではないか。そんな現状を、元「キネマ旬報」編集長で、歯に衣着せぬ映画評で知られる白井佳夫さんはどう見ているのか。白井さんに聞いた。

  ◇  ◇  ◇

「かつては映画が突出した娯楽だった時代がありましたが、今は映画、テレビ、ビデオ、演劇、コンサート……数ある娯楽のひとつになりました。むしろ、これが正しい位置でしょう。アニメ人気は良いのではないですか。“雰囲気を楽しむ映画”の時代になってきたな、と思いますね。アニメも話題作は、ひととおり見ますよ。3年前に話題になった『劇場版<鬼滅の刃>無限列車編』は……批評は書きませんでしたが」

 東京・杉並にある自宅の仕事部屋で会った白井さん、まずはこう言った。2月には由緒あるキネマ旬報ベストテンが発表され、三宅唱監督の「ケイコ 目を澄ませて」が受賞したが……。

「あまり興味ないですね。大物総会屋さんだった当時の社長から、ロッキード事件に関する発言が原因でクビになった会社だから。以来、経営者は代わりましたが、ずっと雑誌を送ってきさえしないしね」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希を徹底解剖する!掛け値なしの評価は? あまり知られていない私生活は?

  2. 2

    松坂桃李「御上先生」は連ドラの“勝ちパターン”を外してしまった? 1ケタ陥落で疑われる《失速と中だるみ》

  3. 3

    大阪万博の目玉 344億円の巨大木造リングはほぼフィンランド産…「日本の森林再生のため」の嘘っぱち

  4. 4

    なぜオリ山岡泰輔だけが名前を晒されたのか…SNSでは「不公平」「一律公表すべき」の声

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希 異例の「マイナー相手に実戦登板」で見えた首脳陣の痛恨トラウマ

  1. 6

    大河「べらぼう」で横浜流星を食う小芝風花“瀬川”大好評も 迫る「身請け」危機…視聴率ついに1ケタ台突入

  2. 7

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  3. 8

    大阪万博パビリオン建設は“24時間体制”に…元請けの「3月中には完成させろ!」で危惧される突貫工事の過酷労働

  4. 9

    “選挙のプロ”立花孝志まさかの凡ミス赤っ恥…第一声「神戸→船橋」急きょ変更のお粗末

  5. 10

    岡田将生『御上先生』での悪役ぶりが好評 顔面美を生かした怪演で俳優としての地位確立