計9時間!菊之助の新作歌舞伎「ファイナルファンタジーX」はあまりに長い

公開日: 更新日:

完璧な演技者・丑之助

 主人公側は7人のチームだが(黒澤明の『七人の侍』以来の日本の伝統である)、そのなかでは、中村獅童(50)がいちばん目立つ。彌十郎、家六、錦之助のベテラン陣が脇を支え、歌舞伎らしさも醸し出す。

 特筆すべきは、菊之助の子の丑之助(9)で、「祈り子」というピュアな役を透明感をもって演じている。子役は出るだけでかわいいものだが、丑之助はその域を超えて、完璧な演技者となっている。

 平日に行ったせいもあるが、客の入りはいいとは言えなかった。最終的な収支がどうなるのかは分からないが、興行としては成功とは言えないのではないか。グッズ売り場も、そんなに賑わっていなかった。

 なお、IHIステージアラウンド東京はこの公演を最後に閉館する(4月12日まで)。行くなら、いまのうちだ。

(作家・中川右介)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    横浜・村田監督が3年前のパワハラ騒動を語る「選手が『気にしないで行きましょう』と…」

  2. 2

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  3. 3

    マツコが股関節亜脱臼でレギュラー番組欠席…原因はやはりインドアでの“自堕落”な「動かない」生活か

  4. 4

    松井秀喜氏タジタジ、岡本和真も困惑…長嶋茂雄さん追悼試合のウラで巨人重鎮OBが“異例の要請”

  5. 5

    巨人・田中将大と“魔改造コーチ”の間に微妙な空気…甘言ささやく桑田二軍監督へ乗り換えていた

  1. 6

    5億円豪邸も…岡田准一は“マスオさん状態”になる可能性

  2. 7

    小泉進次郎氏8.15“朝イチ靖国参拝”は完全裏目…保守すり寄りパフォーマンスへの落胆と今後の懸念

  3. 8

    渡邊渚“初グラビア写真集”で「ひしゃげたバスト」大胆披露…評論家も思わず凝視

  4. 9

    「石破おろし」攻防いよいよ本格化…19日に自民選管初会合→総裁選前倒し検討開始も、国民不在は変わらず

  5. 10

    大の里&豊昇龍は“金星の使者”…両横綱の体たらくで出費かさみ相撲協会は戦々恐々