東大を目指したり、大リーグに挑戦したり…最近の高校球児は夏の甲子園が「最終ゴール」ではない
夏の甲子園が始まると思い出すことがある。
われわれ団塊世代が子どもの頃は、多くの男の子が甲子園を目指し、六大学野球に熱狂し、プロ野球選手に憧れた。
私が野球に明け暮れていた中学時代、同学年のMから、「野球を教えてくれないか」と頼まれたことがあった。彼は当時の走り高跳び(ハイジャンプ)で170センチ超を跳び、東京オリンピックの強化選手に選ばれるほどの運動神経の持ち主だった。
理由を聞くと、「高跳びではカネにならない。プロ野球に入って母ちゃんに楽をさせてやりたい」といった。彼の母親は今でいうシングルマザーだった。
私が教えるまでもなく、Mは野球でもすぐに頭角を現し、甲子園常連の強豪私立高校に“野球”推薦で入った。2年でエースになり、180センチを超える長身・左腕から繰り出す剛速球は“超高校級”といわれた。
だが、東京大会決勝で惜しくも敗れ、次の年は初戦で姿を消してしまった。
数年後、駅の商店街でMを見かけたことがあった。“ヤー公風”の連中と肩をそびやかして歩く姿に、元高校球児の面影はなかった。


















