著者のコラム一覧
松尾潔音楽プロデューサー

1968年、福岡県出身。早稲田大学卒。音楽プロデューサー、作詞家、作曲家。MISIA、宇多田ヒカルのデビューにブレーンとして参加。プロデューサー、ソングライターとして、平井堅、CHEMISTRY、SMAP、JUJUらを手がける。EXILE「Ti Amo」(作詞・作曲)で第50回日本レコード大賞「大賞」を受賞。2022年12月、「帰郷」(天童よしみ)で第55回日本作詩大賞受賞。

坂本龍一さんは政治に従属を強いられる芸術の「居場所」を案じていたのではないか

公開日: 更新日:

 坂本さんは、ともすれば政治に従属を強いられる芸術の「居場所」を案じていたのではないか。政治に縛られたくなければ、政治に物を言うしかないと身をもって証明しているようでもあった。

 2001年のアメリカ同時多発テロ事件を現地で体験した彼は、その数ヶ月後にTBS「筑紫哲也NEWS23」(テーマ曲を作曲)に出演、「音楽にできることは何か」と訊かれて「(市民と兵士と統治者に)音楽という人類にとって宝のようなものがあることを思い出させる音楽が必要」と答えた。また2012年には脱原発デモで「たかが電気のために(なぜ命を危険に晒されなければいけないのか)」と発言、賛否両論を呼んだ。彼のこうした独特の表現は時として言葉足らずだったかもしれないが、いつだって考えるヒントに満ちていた。

 坂本さんの父親が、昭和のアンガージュマンの代表格である三島由紀夫(『仮面の告白』)や小田実(『何でも見てやろう』)を担当した名編集者・坂本一亀というのは、知る人ぞ知る話。ひとりっ子の坂本さんに大きな影響を与えたことは言うまでもない。音楽の子は言葉の子でもあった。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    TBS「ラヴィット!」の“テコ入れ”に不評の嵐! グダグダぶりを楽しむ独自性損失で視聴者離れ加速危機

  2. 2

    「おい、おまえ、生意気なんだよ」 野村監督は俺の挨拶を“ガン無視”、暴れたろうかと考えた

  3. 3

    「オールスター感謝祭」で“ブチギレ説教” …島崎和歌子は今や「第2の和田アキ子」の域

  4. 4

    NHK朝ドラ「風、薫る」巻き返しを阻む“最大のネック”…見上愛&上坂樹里Wヒロインでも苦戦中

  5. 5

    米国とイランが2週間の停戦合意も日本は存在感ゼロ…お粗末すぎた高市外交を識者「完全失敗」とバッサリ

  1. 6

    スピードスケート引退・高木美帆にオランダが舌なめずり “王国復権の切り札”として白羽の矢

  2. 7

    高市政権が非情の“病人切り捨て”強行で大炎上! 高額療養費見直し「患者の意向に沿う」は真っ赤なウソ

  3. 8

    ブチ切れ高市首相が「誤報だ!」連発 メディア、官邸、自民党内…渡る政界は「敵ばかり」の自業自得

  4. 9

    JFAは森保一氏の“囲い込み”に必死 W杯後の「次の日本代表監督」のウワサが聞こえない謎解き

  5. 10

    『エニイ・タイム・アット・オール』1964年のジョンのギターを聴くだけで元気が出る