(7)「やったー!」のない人生なんてつまらない。ひとつでも多く経験すること

公開日: 更新日:

中尾ミエさん(77歳)

「とても抽象的な言い方になってしまうけど、人生を楽しいものにしたいなら、どんな小さなことでもいい。ひとつでも多く“やったー!”という経験をすることだと私は思うんです。別の言葉でいえば、成功体験とか達成感ということかな。これは、子どもから大人まで、世代に関係なく、いえることだと思うんですが、とくに残された時間がかぎられている高齢世代には必要なことだと思いますよ」

 そう切り出した中尾さん、自らが体験した“やったー!”を紹介してくれる。

「ミュージカル出演のお話をいただいたんです。もちろんトライしてみたいとお受けしたんですが、本場ブロードウェーの演出家が求めた条件がすごかった。『懸垂を10回できるようになってほしい』。私が73歳のときですよ。もともとタップダンス、クラシックバレエで体を鍛えてはいましたけれど、50代に入ると体が硬くなってしまって、トレーナーからは『背中が亀の甲羅みたい』なんていわれていたんです」

 それまで10年以上、水泳やジムでの週2回、2時間のトレーニングをつづけていた中尾さんだが、ミュージカルへの出演オファーがきた時点では、10回の懸垂なんてとても不可能。

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