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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。最新著「王者の挑戦『少年ジャンプ+』の10年戦記」(集英社)、伝説のテレビ演出家・菅原正豊氏が初めて明かした番組制作の裏側と哲学をまとめた著者構成の「『深夜』の美学」(大和書房)が、それぞれ絶賛発売中!

永野は“カウンター”な存在 予測できない不穏な存在であり続けたいのだ

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「2人で腹踊りしながら、次の展開ではデヴィッド・リンチの話とかできる。そんな稀有な存在は私しかいない」
永野テレビ朝日系「週刊ダウ通信」9月18日放送)

 ◇  ◇  ◇

 新進気鋭の8人組ユニット「ダウ90000」。その主宰で、ほぼすべての脚本・演出を務める蓮見翔の年表を見ながら、彼のスゴさをイジワルな目線でイジりながら紹介していたのが、永野(49)だ。「キワモノなのに文化に造詣ある」と自称するように、豊富なカルチャーの知識があるからこその鋭い批評を連発した。そんな永野が自画自賛して放った言葉を今週は取り上げたい。永野は「俺、意外とカウンターで呼ばれた仕事で結果出すんですよ」と笑った。

 10代後半から20代前半だった90年代に、永野はニルヴァーナに出会い、衝撃を受けた。それまでのミュージシャンは「俺はキツかったけど成り上がってやったぜ」と歌っていたが、彼らは違った。「ずっと絶望しているからグッと来た(笑)」(文芸春秋「文春オンライン」22年1月30日)という。もう、その頃にはお笑い芸人を夢見ていたが、自分はクラスの人気者ではなく、グレるわけでも、イジメられているわけでもなく、ごく普通。そこにコンプレックスがあったため、ネガティブなことをそのまま表現する音楽に救われた。

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