真矢ミキさんの今 高学歴キャラに寄り過ぎて演技の迷子に…自分を箇条書きにして気がついたこと

公開日: 更新日:

真矢ミキさん(俳優/60歳)

 宝塚花組のトップスターに就任、退団後は俳優として活躍する真矢ミキさん。ドラマ、映画でのはつらつとしたイメージが印象的だが、逆転、転機も経験し、そのたびに気持ちを切り替えて乗り越えてきた。時々の思いを伺った。

  ◇  ◇  ◇

 今年に入って、「いつも心にケセラセラ」という著書を上梓することができました。書き出しは「突然ですが、私、実は内向的です」。“そんなことはないでしょう”と言う人が多いと思いますが、当時はまったく違っていたんです。幼少期から宝塚に入るまでは間違いなく内向的な私がいました。

 父は転勤族。私は中学に入るまでに8回転校しています。何度も転校を繰り返すと友達をつくってもすぐに離れ離れになるし、前の友達が古くなるような気がしてつくらないようになっていきました。どうせ、また引っ越すんだからと思うと、家でも段ボールから最小限の荷物しか出さなくなったり。そんな環境のせいにするわけではないけど、自然と内向的になっていたと思います。両親は私を愛情を持って育ててくれたけど、あの頃はギクシャクしていましたね。

 ただ、そんな時期もありましたが、人生にはやっぱり逆転があるんだなと今もつくづく思っています。中学を出て宝塚に入ってからの私は変わっていきました。

 宝塚に入った時は劣等生です。1年目は39人中37番ですから。父に「もう少しでブービーだったのに」と言われた時は「失礼な! どんな励まし方なの」と思いましたけど。ただ、他の人のように小さい時から英才教育を受けていたわけではないから仕方がないですけどね。

 でもその代わり、勉強するのは好きだったので、死ぬ気で頑張ろうと。その結果、2年目は22番になった。でも、本音では1桁にはなれると思っていたから、「22番か」とガッカリしちゃった。うぬぼれてたんですね。そして、並大抵な努力ではこの先やっていけないんじゃないか、今なら夜間高校、大学に入ってやり直しがきくと思ったりしてね。

 それで、母に「辞めたい」と言ったら、反応が意外で。「ハンカチを作って、親戚に手紙を出して、配ったばかりなのに。やめてよ」って。実はその時は入団2年目で初舞台の直前。大喜びの母が初舞台のお祝いのハンカチをたくさん作って、親戚中に配ってたんです。その時は、娘の気持ちがわかっていないなと思いましたけど(笑)。

 そして、初舞台の次の作品で初主役をもらうんです。その時18歳。宝塚には宝塚のよさがある、活躍している姿を見てもらうことができる世界という喜びを感じました。

 だから稽古も熱心にやりました。稽古が終わってからもいさせてもらい、どう演じたらいいか、みなさんの稽古を見させてもらったりもして。

 男っぽさを研究するために環状線の電車に乗って、グルグル回りながら男性をずっと観察したこともあります。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    「汽車を待つ君の横で時計を気にした駅」は一体どこなのか?

  2. 2

    沢口靖子「絶対零度」が月9ワースト目前の“戦犯”はフジテレビ? 二匹目のドジョウ狙うも大誤算

  3. 3

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  4. 4

    遠山景織子の結婚で思い出される“息子の父”山本淳一の存在 アイドルに未練タラタラも、哀しすぎる現在地

  5. 5

    国分太一は人権救済求め「窮状」を訴えるが…5億円自宅に土地、推定年収2億円超の“勝ち組セレブ”ぶりも明らかに

  1. 6

    “裸の王様”と化した三谷幸喜…フジテレビが社運を懸けたドラマが大コケ危機

  2. 7

    森下千里氏が「環境大臣政務官」に“スピード出世”! 今井絵理子氏、生稲晃子氏ら先輩タレント議員を脅かす議員内序列と評判

  3. 8

    大食いタレント高橋ちなりさん死去…元フードファイターが明かした壮絶な摂食障害告白ブログが話題

  4. 9

    菅田将暉「もしがく」不発の元凶はフジテレビの“保守路線”…豪華キャスト&主題歌も昭和感ゼロで逆効果

  5. 10

    人権救済を申し立てた国分太一を横目に…元TOKIOリーダー城島茂が始めていた“通販ビジネス”

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    渋野日向子に「ジャンボ尾崎に弟子入り」のススメ…国内3試合目は50人中ブービー終戦

  2. 2

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  3. 3

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  4. 4

    国分太一は人権救済求め「窮状」を訴えるが…5億円自宅に土地、推定年収2億円超の“勝ち組セレブ”ぶりも明らかに

  5. 5

    人権救済を申し立てた国分太一を横目に…元TOKIOリーダー城島茂が始めていた“通販ビジネス”

  1. 6

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  2. 7

    沢口靖子「絶対零度」が月9ワースト目前の“戦犯”はフジテレビ? 二匹目のドジョウ狙うも大誤算

  3. 8

    ソフトバンクに「スタメン定着後すぐアラサー」の悪循環…来季も“全員揃わない年”にならないか

  4. 9

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  5. 10

    小泉“セクシー”防衛相からやっぱり「進次郎構文」が! 殺人兵器輸出が「平和国家の理念と整合」の意味不明