「人間・沢田研二」もええけど、音楽論も、もっとちゃんと語ったれや
なぜ「沢田研二の音楽1980─1985」なのか①
さて、この連載は1980年から85年の計6年間に、沢田研二が残したすべてのアルバム、すべてのシングルを論評し、さらには、同期間に再結成されたザ・タイガースの作品も併せて見ていくものである。
ここでいったん立ち止まって前提を確認する。まず、なぜ「沢田研二の音楽」というタイトルにしたのかについて、説明しておきたい。
67年にザ・タイガースのボーカルとしてデビューしてから57年も経った令和の今、一種の「沢田研二ブーム」が起きているのはご承知の通り。現在76歳。いわゆる後期高齢者になってもライブにこだわり、元気にロックンロールしている姿が、同世代から若い世代までの広い支持を集め、ライブ会場はいつも満員だ。
また「沢田研二論」も、あらゆるメディアで取り上げられ続け、ご存じのように、関連本も多く出版されてきた。
しかし、それらの読み手として、ひいてはいちファンとして、少しばかり不満を覚える。その多くは「人間・沢田研二論」であり、つまりは「音楽家・沢田研二論」になっていないからだ。


















