著者のコラム一覧
ラサール石井参議院議員

1955年生まれ。大阪市出身。渡辺正行、小宮孝泰と結成したお笑いトリオ「コント赤信号」で人気に。声優、俳優、司会者、脚本家、演出家、コラムニストとして活躍。第23回読売演劇大賞優秀演出家賞受賞。2025年、参院選に社民党から立候補し当選。副党首に就任。

第二次大戦時の芝居「セツアンの善人」は、今の世界にぴったり当てはまる

公開日: 更新日:

 ずっと稽古してきた芝居「セツアンの善人」が本日、10月16日からいよいよ開幕する。

 原作はベルトルト・ブレヒト。ドイツの劇作家で代表作は「三文オペラ」。演出は数々のブレヒト作品を演出してきた白井晃氏。

 ブレヒトの名前を聞いたことがあるだろうか。私もそれほどよく知っているわけではないのだが、「ちょい難しい芝居」というのがざっくりとした印象だった。ストーリーに起承転結があり、観客が主人公に感情移入して、最後には涙やハッピーエンドのカタルシスがあるといった従来の演劇とは違う。いやむしろ、そういうものを否定して、観客が芝居にのめり込もうとすると、逆に芝居がそれを断ち切ってしまう。これは登場人物が観客に話しかけたり、突然歌が始まり、場面が変わる「異化効果」と呼ばれる手法なのだが、皆さんは「え、別に珍しくないじゃん」と思われるだろう。そうなのだ。今やこういった手法は多用され、日本の小劇場でも珍しいことではない。とくに井上ひさし氏の作品は大きく影響を受けているように思われる。

 しかし「セツアンの善人」が上演されたのは第2次世界大戦時。ドイツを離れ、ナチスの迫害から逃げながら書かれ、上演された。当時にしてはかなり前衛的だっただろう。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  2. 2

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  3. 3

    「おまえもついて来い」星野監督は左手首骨折の俺を日本シリーズに同行させてくれた

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  5. 5

    巨人大ピンチ! 有原航平争奪戦は苦戦必至で投手補強「全敗」危機

  1. 6

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 7

    衝撃の新事実!「公文書に佐川氏のメールはない」と財務省が赤木雅子さんに説明

  3. 8

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 9

    高市首相が漫画セリフ引用し《いいから黙って全部俺に投資しろ!》 金融会合での“進撃のサナエ”に海外ドン引き

  5. 10

    日本ハムはシブチン球団から完全脱却!エスコン移転でカネも勝利もフトコロに…契約更改は大盤振る舞い連発