「縄文 革命とナショナリズム」中島岳志著

公開日: 更新日:

「縄文 革命とナショナリズム」中島岳志著

 第2次大戦終戦翌年の1946年、在野の考古学者、相沢忠洋が打製石器を発掘、日本に旧石器時代があったことが明らかになった。47年には登呂遺跡の発掘が行われる。日本が敗戦から立ち直るには、日本の伝統を再定義することが必要だった。

 51年、「日本古代文化展」が開催された。パリ留学でアバンギャルド芸術に出合った岡本太郎は、縄文土器を見て全身が震えるほどの衝撃を受ける。こんな凄い造形が太古の日本にあったのか! 岡本は獲物と儀礼が混然一体となったおどろおどろしい存在を、日本美術の原初ととらえた。民芸運動を提唱した柳宗悦や濱田庄司も、縄文の中に「本当の美」を見いだす。

 戦後の芸術家、思想家らが「縄文」に何を投影したかを検証する。 (太田出版 3080円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    福山雅治「フジ不適切会合」参加で掘り起こされた吉高由里子への“完全アウト”なセクハラ発言

  2. 2

    福山雅治イメージ大暴落…「路上泥酔女性お持ち帰り」発言とファンからの"賽銭おねだり”が時を経て批判集中

  3. 3

    参政党・神谷宗幣代表の「質問主意書」がヤバすぎる! トンデモ陰謀論どっぷり7項目に政府も困惑?

  4. 4

    フジテレビ「不適切会合」出席の福山雅治が連発した下ネタとそのルーツ…引退した中居正広氏とは“同根”

  5. 5

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  1. 6

    福山雅治がフジ第三者委「有力番組出演者」と認めた衝撃…NHKの仕事にも波及不可避、ファンは早くも「もうダメかも…」

  2. 7

    福山雅治のフジ「不適切会合」出席が発覚! “男性有力出演者”疑惑浮上もスルーされ続けていたワケ

  3. 8

    福山雅治「ラストマン」好調維持も懸案は“髪形”か…《さすがに老けた?》のからくり

  4. 9

    【独自!】国民民主党にまた不祥事…63歳“激ヤバ”新人都議がコンサル報酬「不払い」でトンズラ

  5. 10

    【武道館チケット入手記念】2013年ザ・タイガース武道館公演の感想「発掘」