今秋ドラフトに異変!高校生の「下位指名回避トレンド」による“不作”は巨人とソフトBが元凶か
「今年の甲子園は見たい選手が少なかったよ」
19日に準々決勝4試合が行われ、いよいよ佳境に入る夏の甲子園大会。しかし、ネット裏に陣取ったプロのスカウトからはこんな声が聞こえてきた。
「ドラフト対象選手が少ないため、各球団のスカウトの数も例年より少なかった。昨年までは強制だった甲子園のスタンドでの視察も、今年はテレビで見てもいいと、各自の判断に任されている球団もあるほどです」
某ベテランスカウトがこう証言する。
「今夏の甲子園メンバーの1位候補は、健大高崎の最速158キロ右腕・石垣元気くらい。以前と比べ、変化球が良くなったけど、故障明けだから、群馬大会でもう少し長いイニングを投げるのを見たかったですね」
石垣は今春センバツ前に左脇腹を痛めた影響もあって、夏の群馬大会を含め、3試合全てリリーフ登板。計7イニングしか投げず、プロに完調をアピールする前に、甲子園から姿を消した。
他の高校生ドラフト候補にも異変が生じているという。
「甲子園で1勝を挙げた津田学園のエース左腕・桑山晄太朗はドラフト候補だったんですが、指導者によれば、『いきなりプロ入りは自信がないので、大学へ行かせます』と早々と関西の名門大学への進学が内定していたそうです。桑山に限らず、このところは、指名順位にこだわる高校生が増えている。上位ではなく、下位か育成なら、大学へ進学したうえで、4年後に1位で指名されてプロ入りしたいという意向を持つ指導者、部員が増えているのです」
進学校である川和の最速146キロ左腕・浜岡蒼太は神奈川大会敗退後、「プロ一本で考えています」と明言。スカウトによれば、これは珍しいタイプだという。
他にめぼしいところでは、公立進学校の高蔵寺(愛知)の最速151キロ左腕の芹沢大地は、早々と社会人入りを決めた。投げては153キロ、打っては高校通算15本塁打のパンチ力を誇る滝川(兵庫)の二刀流・新井瑛太は大学進学を希望している。