著者のコラム一覧
スージー鈴木音楽評論家

1966年、大阪府東大阪市生まれ。昭和歌謡から最新ヒット曲まで幅広いジャンルの楽曲を、社会的な視点からも読み解く。主な著者に「中森明菜の音楽1982-1991」「大人のブルーハーツ」「日本ポップス史 1966-2023」など。半自伝的小説「弱い者らが夕暮れて、さらに弱い者たたきよる」も話題に。日刊ゲンダイの好評連載をまとめた「沢田研二の音楽を聴く1980-1985」、最新刊「日本の新しい音楽1975~」は大好評。ラジオDJとしても活躍。

アルバムジャケットに細かい工夫を施すセンスはキレッキレ

公開日: 更新日:

アルバム「BAD TUNING」(1980年7月21日発売)①

 このあたりのアルバムはすべて、私はLPで持っている。

 アルバム「TOKIO」のときと同じような話になって恐縮だが、ジャケットにほれぼれしてしまう。LPサイズで見ているから、なおのことだ。ぜひ中古レコード店で探し出して、沢田研二のジャケットデザインのすごみをLPで確認されることをおすすめしたい。

 デザインを担当した早川タケジが、また乗りに乗っているのだ。テーマはアンドロイド(人造人間)だろう。ジャケットの表面は、沢田研二の美しいアップ。しかし、頭の部分に赤・青・白のエレクトリックな光がまとわりついている。

 裏面は、そんな人造的な沢田研二が、電気椅子のようなものに座らされている。ただ、処刑用の椅子ではなく、何やら診断をされているようだ。というのも、付録の黄色いポスターにカルテのようなものが載っているのである。ちなみに病名は「schizophrenic」=「統合失調症」。

 さらにはコピーもふるっている。帯にあるタイトル表記は「バッド・チ『ユ』ーニング」。レトロ調を狙って「ユ」を大文字にする細かい工夫が施され、「唄 沢田研二」の「唄」も時代がかっている。

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