著者のコラム一覧
スージー鈴木音楽評論家

1966年、大阪府東大阪市生まれ。早大政治経済学部卒業後、博報堂に入社。在職中から音楽評論家として活動し、10冊超の著作を発表。2021年、55歳になったのを機に同社を早期退職。主な著書に「中森明菜の音楽1982-1991」「〈きゅんメロ〉の法則」「サブカルサラリーマンになろう」「大人のブルーハーツ」など。半自伝的小説「弱い者らが夕暮れて、さらに弱い者たたきよる」も話題に。日刊ゲンダイの好評連載をまとめた最新刊「沢田研二の音楽を聴く1980-1985」(日刊現代/講談社)が絶賛発売中。ラジオDJとしても活躍。

1981年は「音楽家・沢田研二」として創作の質を深めていった1年でもある

公開日: 更新日:

1981年の沢田研二②

 この年のシングルは、5月の「渚のラブレター」と9月の「ス・ト・リ・ッ・パ・ー」の2枚。オリジナルアルバムは6月の「S/T/R/I/P/P/E/R」の1枚だけとなる。

 シングル4枚、アルバム3枚をリリースした前年に比べてペースダウン。額面上は少々地味な印象を受ける。

 1981年について特筆すべきは、まずシングル2枚とも沢田研二自身の作曲ということだ。

 作曲活動はこのとき突然始まったものではない。72年の段階で全曲の作曲、さらには作詞まで担当した「JULIE Ⅳ 今僕は倖せです」というアルバムをリリースしているぐらいだから、実は年季が入っていた。

 シングル2曲の編曲は伊藤銀次であり、アルバム「G.S.I LOVE YOU」の成功の流れをくんだものとなっている。

 この年に関して、もうひとつ、さらに特筆すべき出来事がある。それは新バックバンド「エキゾティクス」の結成だ。

 メンバーは、前のバックバンド=オールウェイズのメンバーである吉田建(ベース)、柴山和彦(ギター)、西平彰(キーボード)に加えて、新しく加入した上原裕(ドラムス=名前は当時「豊」と表記)、安田尚哉(ギター)という5人組。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  2. 2

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  3. 3

    阪神・佐藤輝明が“文春砲”に本塁打返しの鋼メンタル!球団はピリピリも、本人たちはどこ吹く風

  4. 4

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  5. 5

    広末涼子「実況見分」タイミングの謎…新東名事故から3カ月以上なのに警察がメディアに流した理由

  1. 6

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  2. 7

    国保の有効期限切れが8月1日からいよいよスタート…マイナ大混乱を招いた河野太郎前デジタル相の大罪

  3. 8

    『ナイアガラ・ムーン』の音源を聴き、ライバルの細野晴臣は素直に脱帽した

  4. 9

    初当選から9カ月の自民党・森下千里議員は今…参政党さや氏で改めて注目を浴びる"女性タレント議員"

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」