獅童と初音ミクによる「超歌舞伎」10年前は最新技術だったが、いまは珍しくなくなった…

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 12月は京都・南座で菊五郎・菊之助の襲名披露に、仁左衛門、愛之助、鴈治郎をはじめ幸四郎、勘九郎、七之助などが出ている。盛況だったが、菊五郎の出番が昼は『鷺娘』、夜は『弁天娘女男白浪』だけなのがさみしい。『弁天娘』もいつもの菊五郎劇団の座組ではないので、ノリが悪いように感じた。勘九郎の『俊寛』は若いイメージで、それゆえの未来への絶望を、絶叫調ではない方法で示し、かえって胸を打たれた。

 役者の多くが京都へ行ったので、東京は玉三郎、獅童、松緑がそれぞれ主役。全体に「普通の歌舞伎」ではないものが多い。

 第一部は獅童と初音ミクによる「超歌舞伎」。バーチャルキャラクターとの共演も、10年前に始めた時は最新技術だったとしても、いまは珍しくもない。初音ミクは舞台奥にある巨大モニターの中でしか動かないので、物足りなく思えてしまう。2時間にわたり、立ち回りと舞踊が交互に続くだけでドラマとしての面白さがないのが致命的。平日だったせいもあるだろうが、このところ満席続きだった歌舞伎座が、久しぶりに空席が目立つ。

 ペンライトを持っている人も3階席は数えるほどだった。こういうものは、歌舞伎座の客には求められていないのでは。

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