(3)胸の痛み…「いつもと違う」と感じたら迷わず受診する
これまで、救急医療現場の実情を紹介してきましたが、今回は救急搬送される代表的な病気について取り上げます。
総務省消防庁の統計(2024年)によると、救急搬送される原因でもっとも多いのが「急病」で455万6813人、前年より6万件以上増加しています。
搬送人数の総数が676万4838人ですから、約7割弱はケガではなく体調が悪くなり救急車を呼んでいることになります。
その中でも緊急性が高い代表的なものが心臓や脳、血管の病気です。具体的には心筋梗塞や大動脈解離、脳梗塞や脳出血など、いずれも命にかかわるか、救命できても重い後遺症が残る可能性が高い病気です。
今回は、特に緊急性の高い心臓・血管系の病気について心臓外科の名医として知られる南渕明宏・昭和医科大学横浜市北部病院循環器センター教授に、救急搬送される心臓・血管系の病気について話を聞きました。
同病院の救急センターには年間6600件以上の救急搬送があり、南渕教授も多くの緊急手術を手掛けています。


















