「キャベツ炒めに捧ぐ リターンズ」井上荒野著

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「キャベツ炒めに捧ぐ リターンズ」井上荒野著

 小さな商店街のお総菜屋「ここ家」は、60代の江子、麻津子、郁子の3人で切り回している。正月が過ぎた頃、3人がスナック「嵐」で飲んでいたら、店主・伸(のびる)が、この建物が取り壊しになるという話をした。

 2月になり、黒いスーツにサングラスをかけた不審な男が「ここ家」や「嵐」の様子をうかがっているのに気づいた。常連客の勅使河原さんが「何のご用でしょうかな」と声をかけると、男は脱兎のごとく駆けだして去った。江子は取り壊しの話を思い出した。もしかしたら……。

 日曜日の午後、取り壊しについての説明会があり、あのサングラスの男の姿があった。

 立ち退き問題に揺れるお総菜屋の物語。 (角川春樹事務所 1760円)


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