「探偵はパリへ還る」レオ・マレ著 田中裕子訳
「探偵はパリへ還る」レオ・マレ著 田中裕子訳
第2次世界大戦中、ドイツ軍の捕虜となった探偵のビュルマは、記憶喪失に陥った捕虜の死に立ち会う。男は「エレーヌに伝えてくれ、駅前通り120番地」と言い残し息絶える。収容所を出てパリに戻る列車に乗ったビュルマは、深夜、停車したリヨンのペラーシュ駅でかつての助手コロメルを見かける。気づいたコロメルが何かを伝えようとした寸前、撃たれ死ぬ。コロメルの最後の言葉も「駅前通り、120番地」だった。リヨンにとどまり調査を始めたビュルマは、電報でパリの情報提供者に駅前通り120番地を監視して住人の情報を知らせるよう要請。翌日届いた返信には「駅前通りに120番地はない」と記されていた。
1943年に発表されたフランスの記念碑的ハードボイルド小説。 (新潮社 825円)


















