期待外れと面白かった「秋ドラマ」を調査!『じゃあつく』が独走、追い上げた“考察が捗る”ダークホースは
2025秋ドラマが次々と完結。今期は社会現象になった作品から実力派脚本家によるオリジナルドラマまで、魅力的な作品がラインナップされました。
今回はドラマファンを対象に、「秋ドラマで面白かった作品」「残念だった作品」をアンケート調査。上位作品を並べてみると、今期ドラマの「推しポイント」などが見えてきました。
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今期、最もバズった『じゃあ、あんたが作ってみろよ』
本命ドラマたちを抑えて1位に輝いたのは『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(TBS系)でした。「料理は女が作って当たり前」という亭主関白気質の勝男。
いつも自分を優先してくれていた彼女の鮎美にプロポーズを断られたことをきっかけに、自らの価値観を考え直していく再生ロマンスコメディです。現代日本に未だ根付くジェンダー的価値観を男女の目線からポップに描き、幅広い層からの支持を獲得しました。
「第一話の鮎美の『女の子だからじゃないよ。勝男さんのこと大好きだから作ったの』という言葉に食らってしまった。もういつしかご飯を作る意味なんて考えなくなってしまっていたから、思わずはっとした」(50代/主婦)
「昔、『全体的におかずが茶色すぎる』と夫に言われた記憶が蘇った。全話共感の嵐。夫に見せたい」(40代/主婦)
「筑前煮で初めて泣けた」(10代/学生)
竹内涼真の姿とのギャップに高評価
特に竹内涼真演じる勝男の、ポンコツみあふれるモラハラ感が癖になった人も多数。普段の映像作品で見せるイケメン俳優・竹内涼真の姿とのギャップを良い意味で感じられたようです。
「竹内涼真のイメージが変わった。どうしてあんなドンピシャなモラハラ演技ができるのか分からない。演技うますぎ」(29歳/接客業)
「モラハラ男が改心していく様子をじっくり見られるドラマって意外に新しいかも。勝男がアップデートしていくと、なぜか自分も嬉しくなった。こんな世界になればいいのに」(30代/フリーランス)
「夏帆ちゃんのオドオドした鮎美が可愛いながらも、女にむかつかれる女という感じがして絶妙だった」(31歳/ライター)
心に残るキャッチーなセリフと愛すべきキャラクターで、放送後はかならずSNSにトレンド入り。社会現象を巻き起こしました。
野木脚本が強い!『ちょっとだけエスパー』
大健闘の2位につけたのは野木亜紀子が脚本を務める『ちょっとだけエスパー』(テレビ朝日系)。大泉洋演じる人生のどん底なサラリーマンが「ちょっとだけ」エスパー的な能力を手に入れて、世界を救うというストーリーです。
数多くの人気作品を生み出した野木脚本ともあって放送前から注目度は高かったものの、それを裏切らない展開とストーリー性で票を集めました。
「ドラマの満足度じゃない。1話で映画を見たくらいの情報量がある」(40代/会社員)
「伏線がいたるところに張り巡らされていてハラハラ」(20代/学生)
「もともと野木さんのファンです。今回の作品も素晴らしい。大泉さんの演技もコミカルながら凄みがあって引き込まれる」(40代/マスコミ)
「毎話騙されている気がする。放送後にSNSで考察を見るのが楽しかった」(30代/フリーター)
「大泉洋はもちろん、岡田将生、宮﨑あおい、北村匠海などのキャスト陣の演技もよかった」(50代/主婦)
野木脚本の緻密な伏線に翻弄されたとの声が多数。ファンタジードラマの名作ともいえる出来だったようです。
新たな朝ドラの魅力を発揮『ばけばけ』
ここで朝ドラ『あんぱん』(NHK)がランクイン!小泉八雲の妻・小泉セツをモデルにした同作。従来の朝ドラらしいヒロインが苦境に追い込まれる展開がありつつも、明るく笑いの要素が散りばめられていることで人気に。朝ドラらしさと革新的な演出がマッチし、高評価となりました。
「ヘブン先生とトキちゃんの絡みが愛しい。ほっこりして朝にぴったり」(20代/会社員)
「台詞よりも役者の表情や、映像の表現で分からせてくれる」(60代/無職)
「朝ドラの『あるある』もありつつ、ギャグパートも多くて見やすい」(30代/医療)
「髙石あかりの愛嬌たっぷりの演技がいい。朝ドラ女優の中でもトップレベルに上手い。さすがオーディションを勝ち抜いてきただけある」(50代/福祉関係)
まだまだ朝ドラとしては折り返し地点。今後ますます人気が上がっていく期待が高まります。
三谷脚本は賛否両論?『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』
放送前には大注目だった『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』(フジテレビ系)が4位に滑り込み。1984年の渋谷を舞台に、菅田将暉、二階堂ふみ、神木隆之介などの豪華キャストが勢揃いしました。
三谷幸喜25年ぶりの民放GP帯連ドラ脚本ということで話題を呼んでいましたが、視聴者の意見は賛否両論がはっきり分かれる形となりました。
「三谷作品特有の『ドタバタ感』。エンタメ感が強くて見ていて楽しい」(50代/公務員)
「キャストの演技が渋くていい。演技対決の辺りは興奮した」(40代/接客業)
「芝居の素晴らしさ、それに賭ける人々の熱意を感じられた。個人的には今期No. 1」(50代/主婦)
などの三谷幸喜らしさが爆発する同作品を絶賛するコメントもある一方、ストーリーの難解さを指摘する声も聴かれました。
「第一話から展開が早すぎて全く分からなかった」(20代/フリーター)
「登場人物が多すぎて理解できない」(20代/広報)
年齢層が高めの三谷幸喜世代には刺さりましたが、若い世代は「三谷節」に馴染めない視聴者も多かったようです。
考察要素たっぷりで若者に人気『良いこと悪いこと』
若年層から圧倒的支持を得て間宮祥太朗主演の『良いこと悪いこと』(日本テレビ系)が5位にランクインしました。小学校の同級生たちが次々と殺されていく謎に迫るミステリー作品。怒涛の展開や伏線に、SNSでの考察が盛り上がりを見せました。
「タイトルさえもミスリード。毎週楽しみにみました」(10代/学生)
「思いもしなかった急展開でびっくり。1話から見直してみて、『コレか!』となったりした」(30代/フリーター)
「伏線が多すぎて回収できていないところもあるけど、全体的にはすっきり」(20代/接客業)
「公式HPにも仕掛けがあったりして面白い。SNSの考察を参考にしながら見たら、もっと楽しい」(10代/学生)
番外編:及川×手越『ぼくたちん家』は期待を超えられず?
放送前は期待度も高かった『ぼくたちん家』は惜しくもランク外。及川光博と手越祐也によるW主演の恋愛ドラマということで、告知時点では大きな話題になりました。
放送開始時点では勢いが良すぎたせいか、回を重ねるごとに若干の失速感が出てしまったのかもしれません。
「ミッチーと手越という普段からキャラクターが強い二人なので、役に合っていないと思ってしまった」(40代/接客業)
「メインキャラクターの背景をとても丁寧に扱ってくれている反面、女性描写が適当に感じるときがある」(30代/会社員)
「ちょっとご都合主義が多い?」(20代/美容関連)
イメージの強いキャストを起用したことが裏目に出たような感想が散見されました。しかし、「男性同士の恋愛や日常生活を穏やかに描いてくれていて、心が温かくなった」と繊細なストーリーを評価する声もありました。
『ひらやすみ』『絶対零度』…その他を一挙公開!
ここからは惜しくもランク外となった話題作の感想を一挙公開!お気に入りの作品や気になっている作品があれば、一気見候補の参考にしてください。
ひらやすみ(NHK)
「多幸感たっぷり。これから何度も見直したい」(40代/主婦)
「重い展開もあったが、誰もが抱えるような悩みに向き合ってくれている」(40代/会社員)
「『ひらやすみ』と『じゃあ、あんたが作ってみろよ』の原作者が夫婦と知って驚いた。これを頭に入れてみると、またちょっと違った見方ができて楽しい」(20代/接客業)
終幕のロンド —もう二度と、会えないあなたに—(フジテレビ系)
「草なぎさんはもちろん、中村雅俊さんの演技にぐっときた。『遺品整理』という扱い辛いテーマだがキャスト陣が真摯に向き合っているのを感じた」(60代/主婦)
「急に不倫要素が出てきてびっくり」(50代/接客業)
「脚本というか、人物描写が雑な気がした。共感ができなくて途中で脱落した」(50代/主婦)
絶対零度(フジテレビ系)
「沢口靖子さん主演にハズレなし。キャストも渋くて楽しみだった」(50代/会社員)
「戦闘シーンがあったり、沢口さんが大ハッスルしていてすごい)(30代/マスコミ)
「沢口さんが出てるから見てるだけ。進展が少なかったり、『そうはならないよ!』的な展開が多い」(40代/パート)
新東京水上警察(フジテレビ系)
「期待していなかったが、見始めると面白かった。設定も斬新だし、もう少し話題になってもいい」(40代/公務員)
「山下美月ちゃんが可愛い」(20代/フリーター)
今期は『じゃあつく』の一人勝ち
魅力的な作品が揃った秋ドラマですが、今期は『じゃあ、あんたが作ってみろよ』が圧倒的一位となりました。社会が抱えるテーマを誰もが楽しめるように、それでいて考えさせるように描いたことが結果に繋がったと言えるでしょう。
これから始まる冬ドラマも話題作揃い。まだまだドラマ熱は収まらないようです。
(ライターF)
(コクハク編集部)


















