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ラリー遠田お笑い評論家

1979年、愛知県名古屋市生まれ。東大文学部卒。テレビ番組制作会社勤務を経てフリーライターに。現在は、お笑い評論家として取材、執筆、イベント主催、メディア出演。近著に「松本人志とお笑いとテレビ」(中央公論新社)などがある。

バッテリィズのボケ担当エースの「おバカ」パワーは常に受け手の想像を超えてくる

公開日: 更新日:

 昨年末に行われた漫才コンテスト「M-1グランプリ2024」の主役となったのは、前人未到の連覇を達成した令和ロマンである。しかし、優勝こそ逃したものの、彼らに負けないぐらいの活躍を見せて、その後も順調に仕事を増やしているのが、準優勝したバッテリィズだ。

 バッテリィズは、エースと寺家の2人組。草野球でピッチャーとキャッチャーのバッテリーを実際に組んでいたことが芸名の由来である。

 彼らの漫才の売りはボケ担当のエースの明るく無邪気な「おバカキャラ」である。漫才の中では、知識がないことが原因で次々にピントが外れた受け答えをしてしまうのだが、その外れ方が絶妙で、常に受け手の想像を超えてくる。

 たとえば、決勝で見せた「世界遺産」をテーマにした漫才では、スペインのサグラダ・ファミリアに行くことを勧められ、140年も建設中でまだ完成していないと知ると「なんで俺、スペインまで行って工事現場行かなあかんねん。人足りてないから働かそうとしてるやろ!」と怒り始めた。

 その後も、タージ・マハルについて「なんで俺、知らないやつの墓参り行かなあかんねん!」と不満を示し、ピラミッドも墓であると聞かされると「もうええって! 行かへんって墓参りは!」とあきれてみせた。

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