阿部寛「キャスター」の取材手法は違法スレスレ…リアル番組だったらBPO案件だらけ?
世帯視聴率14.2%と好発進した日曜劇場「キャスター」(TBS系)だったが、4話目で2ケタ割れ寸前まで落ちてしまった。
話がウソっぽすぎるというのが理由のようだが、なるほど、もしあれが実際の番組だったら、BPO(放送倫理・番組向上機構)で問題にされるような違法スレスレの取材や放送ばかりだ。
ドラマは夜の報道番組を舞台に、「ぬるい番組をぶっ壊す」と吠えるキャスター・進藤壮一(阿部寛)が、世の不正を次々と暴く社会派エンターテインメントという触れ込みなのだが、キー局の報道部記者は「あんなの、テレビジャーナリズムでも何でもない」とあきれる。
第1話では、予定されている放送内容をキャスターがバラし、「このままではあんたは悪者になるよ」と脅して取材に応じさせたり、番組スタッフが人間ドックの受診に紛れて病院内を隠し撮りしようとしたりとむちゃくちゃ。
第2話では、容疑者逮捕の現場に重要参考人を連れていって生出演させ、第3話でも置いてあった職員用の白衣をADが勝手に着て大学研究室に侵入と、人権や法律に無頓着なシーンが続く。
第4話では、番組が中学校の裏アカウントを作って、生徒に書き込ませて取材に利用する。
しかし、ドラマの中では逸脱行為も“真実を伝えるための熱すぎる情熱”とされ、結局だれも責任を問われない。
そうか、フジテレビ問題で明らかになったテレビ業界の「なれ合い」や「犯罪も見て見ぬふり」はこういうことだったのかと、ここだけは妙なリアリティーがある。